私はいつものように、朝早く来ては編み物をしている。
すると、前の椅子にまたがり、私の方を向いてきた男の子がいた。
『なぁ、あなたわかる?俺のこと?』
そう昨日、助けてくれた桐山くんだった。しかも私の名前を突然呼んできて、少しびっくりもしていた。私は昨日のことを思いとっさに、
「あ、、あの桐山くん!昨日はありがとうございました!!」
私はパッとその場に立ち、頭を下げた。
『お!俺の名前知ってくれてた!あ〜もうええから!大丈夫やから!んなことより、お前、編み物ホンマに好きなんやな?』
「え、あ、はい…、、」
私は緊張していた。クラスの子とそんなに話したことなかったから…、、でも彼は違った。
『でも、まずー、、前髪切ろか?笑』
突然、私の前髪触り、そういってきた。
「え?///」
そう、私は顔が見えないぐらい前髪を伸ばしていた…、、周りが見えないようにわざと…。
『よし!今日学校終わったら屋上来てや♪俺が切ったる!!』
「え?!そ、そんなの大丈夫です!自分で…!!」
『ええからええから!!絶対来いよ!!』
と椅子から立ち、その場を去っていった桐山くん。
胸がドキドキしていた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。