遠くの方で声が聞こえる
蓮「やばい、俺、ほんとないよね、ほんとごめん」
大介「大丈夫だよ、もう治ってるから」
そっと頭を撫でられる感覚
大介「あなた〜おっきだよ〜」
おでこに手が触れる
すると不思議と目が開いた
大介「お!」
蓮「あなた、昨日はごめん」
大介の少し後ろで蓮がガバッと頭を下げる
「れ、ん?」
ぽーっとする頭
起きたばっかりの頭では何も考えられない
すると蓮は困った顔をして私に近づく
蓮「俺、記憶まで傷つけちゃったかな」
そっと私の顔を覗く
大介「あなた寝起きで頭まわってないんだよ」
ねー?と大介は私の頭を撫でる
蓮「ほんと?大丈夫?」
「うん」
私は大丈夫なのに蓮が悲しそうな顔をするから
心配になって
蓮の手を触ろうとした
蓮「あ、」
スっと引かれた手
私の手が蓮に触れる事はなかった
「ごめん」
何故かそれに酷く心が痛んだ
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。