蓮は少し寂しそうに笑って
蓮「昔こうやって人を殺したことがあるんだ、それがトラウマで水触ってる時は誰も触らせないようにしてるの」
ごめんねと言って私の頭を優しく撫でた
蓮「痛かった?」
私は首を横にふった
蓮「ほんとごめんね」
「大丈夫、気にしないで?」
そう蓮の手をとって言うと
蓮はふっと笑った
蓮「ありがとう」
「うん」
蓮「外行ってるから着替えておいで」
蓮はそう言って部屋を出ていった
ドレスを脱いで蓮が用意してくれた服を着る
初めてこんなに動きやすい服を着たかもしれない
「おまたせっ」
ドレスを持って外に出ると
康二「えぇっ?!」
康二が大きな声で叫ぶ
照「どうした?」
下から照の心配そうな声がする
康二「あなたがかわいい!」
康二がそう返すと
大介の笑い声がした
下の階ではみんながザワザワしだす
蓮「行こっか」
蓮が私を抱き上げて下へ向かう
下に着くと真っ直ぐ水槽の方へ歩いていき
私をその中へ入れた
ラウ「え、めめの服着てるの?」
ラウールの質問に首を縦にふると
ラウールは水槽の縁に顔を乗せて
ラウ「俺のは?着ない?」
と聞いてきた
それがとてもかわいくて
ラウールの頭を撫でて
「今度貸してね」
と微笑んだ
なんだか弟が出来たみたいで嬉しかった
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。