第7話

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2021/06/08 17:03
木の匂いがふわりと香る

ゆっくり目を覚ますと知らない部屋にいた


「水・・・」


木でできた部屋に

木でできた小さな水槽

私はその水槽の中で目を覚ました

最後の記憶は知らない男の人が私の手を引いた

そういえば・・・


大介「おかしいですね、王様の娘は体が悪くて寝たきりだと仰っていたのに」


あれこれ思い出そうとした瞬間

入口から人が入ってきた


大介「なーんて、あ!起きたじゃん。おはよー」


さっきの低い声とは打って変わって

ちがう声で話し出す


大介「あ、そうだよね。俺は佐久間大介、よろしくね?」


「あ、あの、」


大介「あー、今からね、怪我の治療するからねっ!痛くないからそのままでいて?」


スーッと私の腕の上を彼の手が滑る

するとドアを叩いて赤くなってしまっていた手が

元の色に戻り痛みも消えてなくなった


「あなたはっ」


『悪魔』そう言いかけて口を止める

私も彼も同じ人種

でもこの言葉を口にするのは違う気がして

ほかの表現は無いものかと頭を動かす


大介「俺たちはね、悪魔なんかじゃなくてスペシャルなだけだよ」


ふと視線を彼に戻すと

彼の大きな瞳が私をしっかり捉えて

キラキラと輝いていた

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