憧れのYouTuberに…なる自信はなかった。
でも大好きな動画を創る、大好きな人たちを支えたい。そんな思いでこの会社に入社し、早○年。
まさか…
フィッシャーズのマネージャになる日がくるとは。
女子トイレの化粧台の前。緊張をごまかすように、鏡の中の自分を何度も確認する。
夢のような仕事だ。
彼らのパフォーマンスが、ほんの少しでもいいから上がるようなお手伝いを。全力でやるんだ!!!
大きく息を吸って、足を1歩踏み出す。
そこには、ちょうど反対側の男子トイレから出てきた、迷彩Tシャツを着た小柄な男性。
この方こそ、フィッシャーズのリーダー、シルクロードさんだ…!
続々と話を振ってくる彼に圧倒されつつ…
彼の質問が私の仕事スイッチを押してくれて、緊張が少し落ち着き始めた。
首から下げたIDカードを、シルクロードさんへ見せながらご挨拶。
色々と雑談しながらも…会議室、到着。
自己紹介以外、自分から話すタイミングが見当たらないほど、会話が次々と流れていく7人。
でも、不思議と疎外感はない。
今日から、
フィッシャーズと私のいろいろが、始まる。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。