~あなた~
今日1日かけて、やっと終わったMV撮影。
何度も何度も失敗して迷惑かけちゃったけど、なんとか終了。
にしても、最後のシーンはすごかった。
ドキドキしちゃったもん、ほんとに。
涼太くんが涼太くんじゃないみたいで、でも涼太くん、みたいな。
この1日で仲良くなれた亜嵐くん。
上手くいかない私を励ましてくれた。
全然疲れてないような笑顔で話しかけてくれる亜嵐くんに、自然と顔が緩む。
ちょこっとだけチャラく見えちゃうけど、亜嵐くんって人を笑顔にさせる力があると思う。
スタッフさんとかも、亜嵐くんと一緒だと楽しそうだもん。
私も含めて。
にっこにこで駆け寄ってきた隼くんに報告を受け、スタッフさんと話している玲於くんに目を向けた。
まだお話してるし、行った方がいいのかな、
ていうか、いつも私が呼ばれてるけど、玲於くんが来たらいいのに。
なんて思ってたら、
困ったような上目遣いで頼んで来たため、断ることはできず、
また亜嵐くんの方を向いた。
私の話を聞かずに手を引っ張って行く玲於くん。
強引で、いじわる。
そんな彼にドキドキしてしまう私は、
どうしたのだろう。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。