第9話

玲於 ~7~
517
2020/09/11 09:16


~あなた~



翌日、レッスン中最後の動きを教わったんだけど、、



む、無理っ!
無理無理っ!!


か、傘の中でちゅーなんて無理だよっ、

いや、実際にするわけじゃないけどさ、

あぁぁぁあ、もう無理、


・・・できない、できないよ、







玲於
玲於
・・・あなたちゃん? 通すってよ?
あなた

・・・あ、、ごめんなさい、




と、通す、?
え、最後まで、?
し、しかも、練習は傘ないよ、?

どうしよう、どうしよ、ほんと。





気づいたら、他のダンサーさん達はまた端っこにはけてた。

・・・集中だよ、集中。



















ついに来てしまった大サビ。


余計なこと考えるな、私。


演技、演技。
全然気にしないふりだよ。
恥ずかしくないよ、大丈夫。






“僕らの時計の針がもう二度と離れないようにKissをしよう”


エアー傘を倒して、キスする振りをする。




・・・待って、これ、想像以上にドキドキするよ、



キスはしないけど、顔、すっごく近い。

今絶対顔赤いな、もういいや。






講師
はい。


手を叩く音と共に先生の声が聞こえて、顔を離した。




先生からのアドバイスが始まったんだけど、、





玲於
玲於
あなたちゃん、顔真っ赤。(笑)
玲於
玲於
そんな顔されると俺も照れるんだけど。
あなた

・・・ごめんなさい、

玲於
玲於
素直だなー。(笑)



先生が話してて、聞かなきゃまずいのに玲於くんから目がはなせない。
目を合わせてないんだけど、先生の方を向けない。




玲於
玲於
ほら、見てみ?周り。誰も赤くないよ?


・・・その通りだった。




あなた

・・・・・・。

玲於
玲於
ふは、ごめん。ちょっといじめすぎたかも。
玲於
玲於
機嫌直して?





玲於くんのこと、ただただ優しい人だと思ったけど、
私には理解できない、大人な人だった。

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