そして宏太朗の、愉快な残虐劇が始まった。
監視カメラを見ながら俺は、1人でに話していた。
俺の宏太朗は、俺のために頑張っている。
俺のために、俺に会うために、こんな楽しいショーを作ってくれる。
あぁ、なんて楽しいんだろう。
最高のフィナーレも用意してある。
やっぱり最後の仕上げくらい自分でやらないと。
全部宏太朗に任せっきりじゃ、彼も大変だろうから。
興奮がおさまらない。
もうすぐ俺のものにできるという好奇心と、宏太朗が行なっているこのショー。
誰も止めようとしない。
誰にも止められやしない。
こうなることは、きっと運命だったんだろうね。
きっと、生まれた時から決まってたんだ。
宏太朗が、安元さんと廣瀬くんと鉢合わせたあたりで俺は深呼吸をした。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。