*あなたside
うー。お腹痛い。
今日は別に女の子の日じゃないのに…
なるべく動きたくない。
なのに今日はめっちゃ伊野ちゃん自販機行こって誘ってくるし…。
行きたいけど…
えー、なんでー?なんて聞いてくる。
素直にお腹痛いって言えればいいのに…。何故か強がってしまう。
こう言えば、伊野ちゃんも諦めるはず。
なのになぜか今日は全然諦める気配ない。
しかももう一本奢ってくれるらしい…。本当は行きたいのに。
大ちゃんは伊野ちゃんのことバカにし出すし。
違うんだよ?行きたくないわけじゃないんだよ…
お腹の痛さとホントのことも言えないくらい素直になれない可愛くない自分に嫌気がさして涙が出てきそうになってきた時…
お腹痛いんでしょ?なんて他のメンバーに聞かれないようにしゃがんで小さい声で言ってくれる伊野ちゃん。
あぁもう。ほかのメンバーは気づかないのに…
なんで伊野ちゃんにはバレちゃうんだろ…。
ほんとに伊野ちゃんにはかなわない。
Jrの時からずっと一緒の伊野ちゃんにはもうバレてもいいや。なんて思って頷けば
なんて言ってどこかに行こうとしちゃう…。
隣にいて欲しいのに…
なんてぞくぞく伊野ちゃんに頼んじゃう。
なんて言う伊野ちゃんはなんだかんだ優しいから言ってない全員分買ってきちゃうんでしょ…?
伊野ちゃんが出てってからちょっとしたら
なんて声がドアから聞こえてきて大ちゃんがゲームを中断して開けに行くと、大量のペットボトルを持った伊野ちゃんが帰ってきてて
ほら言った。頼んでない圭人とかゆーてぃの分までちゃんと買って帰ってきてる。
なんて、言ってちゃんとメンバーが好きな飲み物を買ってきてる。
なんて渡されたのはふってふってゼリーとココア。
ふってふってゼリーは好きなのみんな知ってるけどココアまでなんで…?
なんて得意げに笑う伊野ちゃん。
なんて誤魔化してくれる。
あぁ、やっぱり伊野ちゃんにはかなわない。
体調が悪い時にココア飲みたくなるの知ってて買ってきてくれたんだ…。
なんて言いながら頭を撫でてくれる
なんて言って手を繋いでくる。
バレてた…///
ちょっと恥ずかしいけど、そのおかげでお腹が痛くなくなってきた気がしてきて。
いつの間にか眠りについてた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。