*伊野尾side
俺はやっぱりあなたのことになると体が勝手に動く
知念にあとから来てって言われたけど…やっぱり走って追いかけてた
あぁ、やっぱり山田も心配で来たんだ…
どんなに走っても知念には追いつかない
山田でさえ追いついてないなら俺は無理…
でも、今走るのを諦めたら…
山田に負ける気がした
それ以上に、あなたのことが心配で足が勝手に動き続けていた
~
俺らがあなたの部屋の前に着いた時、
少しだけ扉が空いていた
そこから聞こえてきたのは知念の声…
俺も山田もなぜだか、部屋の中に入れなかった…
扉の隙間から見えたあなたの寝顔
知念の泣き顔なんか何年ぶりだろうか…
やっぱり思ってることはみんな同じなんだ…
…え?
一瞬、自分の目を疑った
それは山田も一緒で2人で目を合わせた…
何が起こったのか、誰にもわからない。
知念がこっちに向かってくるのに気がついて山田と急いでその場を離れた…
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。