第46話
#31
*伊野尾side
なんかお腹の方が温かい。
なんだろうって思って目を開けたら
あなたがいた…
すやすやと天使のような顔して寝てる…
まじでかわいい。
そんなに無防備で男の部屋で寝てたら襲われちゃうよ?
てか、襲いたいんだけど…
このままベットに引きずり込んで抱いたまんま寝てたいんだけど
そんなことしたら意識が朦朧としてる俺には暴走を止める自信が無い
…しょうがない、起こすか?
…それとも、ずっとこのままにしようか
そんなこと考えてる間にあなたが目を覚ましちゃった
寝てる姿も可愛いかったのにな…
30分くらい経ったらあなたの足音が聞こえてきた
そう言って差し出したお粥は確かに美味しそうではない。
でもあなたが作ってくれたことが嬉しい。
味はお世辞でも美味しいとは言えないけど
あなたが一生懸命作ってくれたことが伝わる味がした。
料理が下手くそだって言ってあんまり作ってくれないのに、俺のためだけに作ってくれたことが幸せでしかない
全部食べ終わったらまた眠くなってきた。
また1人の部屋が急に寂しくなって、あなたの腕を掴んでた
別に一人でいるのなんか慣れてるのにな…
あなたに隣にいて欲しいと思った
あーあ、言っちゃった。
また冗談言ってないで早く寝なさいなんて言われるんだろうな…
こんな姿見せたいわけじゃないのに
病人だからか…
ちょっとでも期待した俺が馬鹿だったな
病人だから優しくして貰えるならとことん使わせていただきますよ?
病人って言葉
なんて上目遣いでお願いしてみる
なんて言って、布団をめくってみせる
ここでまで病人使うなんて卑怯かな
でも、ここまでしないとあなたは俺の気持ちに気づいてくれない
顔を真っ赤にさせながらベットに寝るあなた
わざとかな?俺と隙間を開けるのは
まぁそんなことどうでもいいけどさ…
引き寄せるだけだし
そう言ってあなたに抱きつくようにして目を閉じた