*あなたside
さっきから、おばけが襲ってきます泣
もぉ、怖い…。
そう言って、リタイア扉を探してはまた入ってをもう何回も繰り返してます…
もぉ、1人じゃ入れない泣
仕事だから、ちゃんとやらなきゃって思うんだけど、どうしても入れない…。
いのちゃんは、ほんとに絶妙なタイミングで
私のことをいつも助けてくれる。
私が、甘やかされたくないのを知ってるから今までなにも言ってこないでくれたけど…
ほんとに無理になると助けてくれる。
ほんとにカッコイイな…///
そんなこと言うと、真っ赤になってくいのちゃん。
いつもの仕返しだ!
…でも、ほんとに頼りにしてるよ?
一緒に入ってくれること、頼みに行くと思って一緒に行くって言ったら大丈夫って…
ほんとに一瞬で帰ってきた。
ケケケがそんなに優しいわけないんだけど。
そういって優しい笑顔を向けてくるいのちゃんはいつもより頼もしく見えた。
入ると、いのちゃんがいてもやっぱり怖くて…
泣きだしそうになっているといのちゃんが
手を出してきて
なんて言って、手を繋いでくれる…///
いつもと変わらないのにドキドキするのはなんでだろう?
ドキドキしてるのバレないといいな。
…そんなこと考えてるといつの間にか、ゴール近くまで来ていて。
でも、ゴール間際で後ろからお化けに驚かされて…
今まで、後ろから来るパターンなんてなかったから予想外で腰が抜けちゃった…。
そんな私にいのちゃんは気づいて
なんて聞いてくれるけど、怖くて声も出ない。
首を振ることで精一杯だった。
そう言うと、私の体はふわっと宙に浮いた。
目の前にはいのちゃんの顔があって。
私、お姫様抱っこされてるの?
えっ?えっ?
よく状況は分かってないけど、走り出しちゃったからいのちゃんの首に手を回す。
また、ドキドキしちゃうじゃんか…///
いのちゃんのバカ…///
するとすぐに目の前が明るくなった。
クシャって笑ういのちゃんはいつもよりかっこよく見えちゃう。
そっと、下ろしてくれる。
そんなこと笑いながら言ってるけど知ってるよ?
いのちゃんがお化け屋敷なんて怖くないこと。
私を抱っこして走っても息が切れないくらい、毎日ダンスレッスンしてること。
~
あとから、スタッフさんから聞いたんだけど
いのちゃん、私が無理になる前に何回もケケケに頭を下げて頼んでくれてたらしい…。
私に頭下げてるところ見られたくなかったって。
かっこ悪いって思ってるのかな?
そんなことないのに。めっちゃカッコイイのに。
そんなことしてくれるいのちゃんをいつもよりドキドキして、かっこよく見えちゃうのは
お化け屋敷に入ったから…?
そうだよね…?
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。