第3話

謎の恋手紙②
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2018/09/11 09:51
私たちは、約束の地であるカフェに来ている。

そのカフェは住宅街に紛れていて、コーヒーが凄く美味しい。推理が行き詰まったときやちょっとした休憩、麗ちゃんと遊ぶときなどによくお邪魔させてもらうカフェだ。
進樹
…で、俺を呼んだわけですか
有志
はい。直接お話しようと思いまして…
花恋
コーヒーでも飲みながら話しましょう。
進樹
分かりました
花恋
早速ですが、美香さんとの関係を教えて頂けますか?
進樹
最近できた女友達です。同じバスケ部なので、よく話したりはしますね。あ、家が割と近いので送ってったりはします
質問に対してペラペラと話していく。
花恋
では、貴方自身は美香さんをどう思っていらしているのですか?
進樹
…ただの友達です
若干の間があった。
花恋
では、最後の質問です。貴方は、今まで誰かに告白したことがありますか?
進樹
無いです
先ほどとは違い、短く、最低限の事だけを話した。
花恋
分かりました、ありがとうございます
次の相手が来るまで、私はコーヒーを楽しんでいた。

あまりにも無言の時間が続くので、有志に話しかけてみた。
花恋
有志、どう思う?
有志
どうもこうも、まだ一人にしか聞いてませんよ?答えられる訳が無いじゃないですか
花恋
そうね
思った通りの返事だった。有志は爽やかでモテるタイプだが、推理力に欠けている。

窓を開けると、風がコーヒーを揺らした。

次の相手の足音が、近づいてくる。

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