「ただいまぁ~!」
勢いよく〇〇と5歳の娘の彩が
待っている家の扉を開ける。
「…あれ、?」
…いつもは走って来るはずの彩が来ない。
代わりに聞こえてくるのは俺達の歌。
「ただいまぁ…」
静かにリビングの扉を開けると、
「あ、パパッ、おかえりなさい」
と迎えてくれる〇〇。
テレビの方を見ると、
ニコニコしながらライブDVDを見る彩。
「〇〇ッ…どないしたん、?」
「パパの活躍してるところ、
彩にも見せてあげようと思って…」
そう言い微笑む〇〇。
「パパッ!おかえり!かっこいいね!」
「ホンマに!?やったぁ!!!」
愛娘に褒められ、思わずはしゃぐ。
「あ!のじょむ~!!」
「……え?」
「彩、望くんの事、
好きになったみたいよ?」
テレビの前で、
画面の向こう側の望に手を振る愛娘。
「えぇぇ~〇〇~(泣)」
「あははッ、たぁくん、気にしすぎよッ」
「絶対に望の嫁にはせんからなッ!!!」
その後、結局、寝る直前に"パパが1番"って言うてくれたから、心地よい眠りに付けたんやけどな(笑)
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!