第2話

例えお酒の力でも(桐山照史)
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2019/04/04 01:29

『カンパーイ!』


今日は幼馴染である〇〇の誕生日。

毎年〇〇の誕生日は
俺の家で祝うということが恒例。

こうやって2人で乾杯する度、
”あぁ、幸せやな”と思ってまう俺がいる。


「毎回、毎回祝ってくれてありがとう」


そう言って微笑みかけてくる〇〇。


「なんやねん、いきなり改まって(笑)」
「たまにはちゃんと伝えなアカンやろ?(笑)」


”ね?”なんて言ってくる〇〇は
可愛くて、可愛くてしょうがない。


「あッ、なぁ、〇〇?」
「ん?何、?」
「好きなやつ、ええ加減出来たか?(笑)」


会うと必ずという程聞く質問。

そうすると決まって
”まだです~”っていう答えが返ってくる。

今日もまた、いつものように
同じ答えが返ってくる”はずだった”。


「実は…黙っててんけどおんねんッ…(笑)」
「え…?」


思わず固まる俺と恥ずかしさを隠す様に
缶ビールを煽る〇〇。


「ふふッ、予想と違った?(笑)」
「いッ、いや…」


どうしても動揺を隠すことが出来ない。

なぜなら俺の好きなやつは
目の前にいる、この〇〇やから…


「まぁ、そんなんどうでもええからッ/」


なんて〇〇は言うけど、
俺にとっては重要なことで。


「はいッ、これッ、今日は呑むで?(笑)」


そう言って手渡される少しぬるくなった缶ビール。

やけど、もう俺の頭の中は
〇〇のことでいっぱいで。

そこから2時間ずっと、
さっきの〇〇の言葉が再生されていた。

そのせいで酒は台無し。ちっとも旨くなかった。

そんな俺を横目に完全に酔っている〇〇。

「照史~💕」

そう言い抱き着いてくる。
俺かて男やぞ…なんて思っても今は無駄。

「ちょっ、〇〇ッ…呑みすぎやて、」
「そんなことないよぉ💕」
「はぁ…」

無意識にこぼれる溜息。

「…私…幸せ者だね…」

溜息に続くように話す〇〇。

「…へ、?」
「やって…




”毎年好きな人と大切な日を過ごせてんねんから”













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次の日…



朝、ベッドで目を覚ますと、
隣ですやすやと眠る〇〇。


「昨日、めっちゃ可愛かったで、?」


微笑み頭を撫でながら呟き服を着る。



昨日の夜、普段はあんなに大胆ちゃうのに突然告白してきた〇〇には驚かされた。


そのまんま、俺らは何かが切れたかのように抑え切られへんようなってキスして…

その後…


「照史、?」
「ぁ、〇〇…おはよッ(笑)」
「んんッ…好きッ…//」




〇〇が起きてもうたから、
キスの続きの話は、またいつか(笑)



end、

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