ピンポーン
『あなたちゃん?』
インターホン越しに先輩の声が聞こえる。
あ、はい…
『いーよー今誰もいないから上がってー』
あ、はい…
やばやばやばやばやばやばやばやばやばやばやば
緊張しすぎでしょ
お、おじゃましま…す
あら、ふつうのおうち。
やっほー!
先輩こんばんはっ
いいよそんなかしこまってないで、
俺の部屋のほうがいいかな、リビングちらかってるし
えっ←
おいでー2階だから
あ、はい…
トントントントントントントントンヒノノニトン
ガチャッ
うっわ、きれ
きれいじゃないよ、いつもは
さっき急いで片付けた笑
転がってるバスケットボールといい、なんか、先輩らしさが漂う部屋。
ふわっといい香りがする。
はい、で?
??
なにがあったの?
あ、それは…
友達と上手くいかなくって…
友達?
自分のせいで、友達が傷ついているんです
目に見えて分かるくらいにひどいことをされて
でも平気なふりして笑顔向けられたらどうしたらいいか分からないじゃないですか
私のこと、悪くないよって
でも私がいるからあんな目にあっててッ…
私がッ…みんなッ…をッ…崩してッ…くみたッ…いッ…
こんッ…な私がッ…大嫌いッ…
言い出したら止まらなかった。
ごめんなさいッ…テヒョン先輩だってッ…何もしてないのにッ…巻き込んでるッ…
溢れだしたら止まらなくて
手の隙間をぽたぽたと落ちてゆく
自分が悪いんだよ。
テヒョン先輩のことを好きになっちゃったから。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!