今日から、2年生。
そろそろしっかりと進路を決めなくちゃいけない。
おばあちゃんに声をかけて、家を出る。
いつものように、陽音が自転車を持って待ってた。
高校までは、私の家から徒歩15分弱。
中学は自転車で30分だったから、2分の1も違う。
朝イチなのに、元気溢れる陽音を少し不審に思う。
まだ1年しか過ごしてないけど、突拍子もないこと
言い出しそうな雰囲気。
そうこうしてるうちに、学校に着いた。
クラス表を見ると、2年2組。
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クラスに行って、自分の席に座る。
私の席は前から4つめ。縦は6列ある。
何か通じたのか、前の席の男子が、クルっと私の方を向いた。
身構えて、緊張した体は、意外な質問で解けた。
ペコッとお辞儀すると、笑い声が聞こえた。
びっくりした·····
男子から話しかけられたの、小学校以来だ·····
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放課後
陽音が心配そうに聞いてきた。
私は控えめにうなずく。
先頭を歩いてた陽音が止まって、後ろをついて行ってた私はボフンと背中にぶつかってしまう。
鼻を抑えて陽音の後ろからその体育館前にいる人を
見ると、オレンジ髪の男子と、黒髪の男子がいた。
·····ん?オレンジ髪の男子·····
やばい。大声で言ったから、振り向いちゃった
隣で、陽音も大声で叫んでた。
陽音に手を取られて走って向かう。
キョトンと私たちを見てる1年生。
日向くんと影山くん。
陽音の分も紹介して、日向くんにお辞儀する。
陽音は日向くんそっちのけで影山くんと話してる。
チームメイトの資格って·····
陽音が話し終えたのか、私の隣に戻ってきた。
教頭先生のカツラを·····
中学一緒なのは知ってるけど、男子バレー部と
女子バレー部って接点あるのかな?
と、話していたら、綺麗な女の人が
そばに立っていた。
突っ立っていると、清水先輩はこっちを見ていた。
清水先輩はガララッと扉を開けて、中に入ろうとしている。と、坊主頭の人が駆け寄ってきた。
グイグイ話しかけてる坊主頭の人。
清水先輩はスルー
坊主頭の人がこっちに気づいて、目が合った。
すぐに陽音の後ろに隠れる。
私たちが入ると、扉は閉められた。
·····日向くん、影山くん、大丈夫かな?
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!