第4話

和姦-今宵は乱れて②
1,424
2018/11/09 07:23

────
扇家 使用人
「若旦那、ご苦労様です」
扇 幸之介
あぁ…只今帰った
扇家 使用人
「お夕飯はどうなさいますか?」
扇 幸之介
町に出て、たらふく頂いてきた
湯に浸かるとしよう
扇家 使用人
「そうでしたか。ではご準備致します」
┈┈┈┈┈┈┈┈
扇 幸之介
(ん?印籠が見当たらない)
※印籠- インロウ
扇 幸之介
(甘味屋に忘れてしまったのか?)
扇家 使用人
「若旦那、仕り致します」
扇 幸之介
すまない
ちと、急用を思い出してな
扇家 使用人
「どうされました?」
扇 幸之介
町で寄った店に
私の印籠を忘れてしまった
扇家 使用人
「なら、若い者に取りに行かせましょう」
扇 幸之介
新米では道がわからないだろう
顔が知れてる店だ
扇家 使用人
「皆には伝えておきます。お気を付けて」
扇 幸之介
頼む
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
扇 幸之介
はぁ...
扇 幸之介
(つい見惚れて、落したことにも
気付かないなんて
あぁ…あの人になんて申せば…)

??? 「いいじゃネェか…ちっとくらい」
?? 「ぃやっ…」
??? 「体は余してるんだろぉ?」
?? 「おやめになってくださいなッ」
??? 「男に色仕掛けしてんだろネェちゃんよォ」
?? 「きゃあ!!誰かッ」
扇 幸之介
そこに誰かいるのか?
扇 幸之介
あなたは…!
染物屋のお方ではないか!!
杜山 ユエ
たっ助けてッ
扇 幸之介
ユエさん?!
なぜあなたがっ
染物屋:タツ 「チッ…」
扇 幸之介
か弱い女性に何をしているんですか!!
染物屋:タツ
「何って…ワシのイチモツしゃぶって
もらおうとしたんだよォ!!」
杜山 ユエ
いやッ
扇 幸之介
なんて、破廉恥なっ!
染物屋:タツ
「アァ〜!ワシはもう帰る!」
扇 幸之介
あっ、何処へ行くんだ!!
杜山 ユエ
まって…!
扇 幸之介
えっ?
杜山 ユエ
行かないでッ
お願い
扇 幸之介
ュ、ユエさん…
扇 幸之介
とりあえず、中に入りましょう
こちらへ
杜山 ユエ
はい…
杜山 ユエ
若旦那、ありがとうございます…
扇 幸之介
通りかかったら声が聞こえてきたので
杜山 ユエ
はい……
扇 幸之介
営みであれば邪魔はしないですが
扇 幸之介
不埒者ではないかと考えました
杜山 ユエ
とても怖かった
店仕舞いしていたら急に…っ
杜山 ユエ
わたし混乱してしまって…はぁ
扇 幸之介
体は大丈夫ですか?
杜山 ユエ
はい。助けてくださったので
扇 幸之介
その…なんと言うか…
杜山 ユエ
ぇ…?
扇 幸之介
着物が…
杜山 ユエ
あっ//…ごめんなさいッ//
扇 幸之介
私こそすみません…//
杜山 ユエ
あの…若旦那にお願いがあるのです
扇 幸之介
何でしょう?
杜山 ユエ
今日だけッ…今晩だけでいいので
一緒に居てくれませんか?
扇 幸之介
ぇ…でも…
杜山 ユエ
無理を承知でお願いしているのは
分かっているんです!
ですが、わたしは一人では怖くて…
扇 幸之介
……わかりました。
扇 幸之介
こんな事があった後ですし
貴女を一人にするなんて出来ません
私で良ければ
今晩共に過ごしましょう
杜山 ユエ
ありがとうございます…!
杜山 ユエ
あの…お店にこれ…
忘れませんでした?
扇 幸之介
あぁ!私の印籠です。よかった
杜山 ユエ
やっぱりそうだったんですね
紋章が扇家のだと思って
扇 幸之介
甘味屋で働くユエさんに
つい、見惚れてしまって〜
帰るまで、気付かなかったんです
杜山 ユエ
え……?
扇 幸之介
あっ、というのは、その〜//
扇 幸之介
すみませんっ
今のは忘れてください
杜山 ユエ
嬉しいです
杜山 ユエ
若旦那にそんな風に
想っていただいて
扇 幸之介
ユエさん…//
杜山 ユエ
あの…若旦那…
扇 幸之介
はい…何でしょ…んんっ
扇 幸之介
はぁっ…//ユエさん?!
杜山 ユエ
わたし、なんだか変なの……っ
杜山 ユエ
カラダが熱くて…はぁ//
扇 幸之介
まさか、媚薬でも
飲まされたんじゃっ…!
杜山 ユエ
なんだか、本当に熱くて
はぁ…着物が苦しくてっ
扇 幸之介
落ち着いてくださいっ
杜山 ユエ
ぁの…//熱くてダメなんですッ
扇 幸之介
あ、あぁ…//
ユエさんっ、はだけていますッ
杜山 ユエ
おねがい//
杜山 ユエ
若旦那、ココに触れてみてっ
扇 幸之介
えぇッ///
で、でもっ
杜山 ユエ
おねがいっ
扇 幸之介
はぃ…
後ろから失礼します//
杜山 ユエ
あっ…ぁ
杜山 ユエ
そう…もっと強くぅっ
扇 幸之介
こう...ですか?//
杜山 ユエ
あんっ…なんだか
カラダがもっと熱くなりました//
扇 幸之介
ぁ…すみませっ…//
杜山 ユエ
あらあら…
若い証拠ですわ。ふふ
扇 幸之介
ゆ…えさッ…あッ//
杜山 ユエ
わたしの事はどうか
ユエとお呼びくださいな
それと、敬語はおよしになって
扇 幸之介
そうで…そうか。
では、私のことは幸之介と
杜山 ユエ
幸之介さん
杜山 ユエ
わたしもぅ…幸之介さんに
触れて欲しくてたまらないの//
扇 幸之介
あぁ...この美しい素肌に
触れたいと思うてた//
杜山 ユエ
ァッ
扇 幸之介
もっと..
声色を聞かせておくれ
杜山 ユエ
ん.ッ..あ//
扇 幸之介
あぁ、
杜山 ユエ
んンッ///
あっ、ソコはぁっ..//
扇 幸之介
ん、沢山溢れてきた
扇 幸之介
熱を帯びてきたのではないか?
杜山 ユエ
はぁんッ..//
杜山 ユエ
こうのッ..さっ
もっ、ココにおねがッぃ///
扇 幸之介
あぁ//
共に一つになろう..っ
杜山 ユエ
ンアッ///
はぁっん
扇 幸之介
熱く溶けてしまいそうだッ
杜山 ユエ
はいッ...//アァっん
扇 幸之介
んんっ、ユエ//
杜山 ユエ
あっ、あッ..ンンっ
杜山 ユエ
もっ、わたっ...///
扇 幸之介
はぁっ、はぁ//
杜山 ユエ
もっ、ぁッ
扇 幸之介
ユエッ..んんぁっ
杜山 ユエ
ぁ..アアっ!!

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
扇 幸之介
ユエさん
具合はどうですか?
杜山 ユエ
えぇ..平気です
扇 幸之介
よかった
杜山 ユエ
ぁ...見て、若旦那
扇 幸之介
あぁ、見事に綺麗な満月だ
杜山 ユエ
ええ、とても
扇 幸之介
こうやって
誰かとを月夜を眺めるのは
心地よい
杜山 ユエ
若旦那と眺めているから
特別ですよ
扇 幸之介
月明かりに照らされた
貴女もその....美しい//
杜山 ユエ
嬉しいです//
扇 幸之介
ユエさん..
杜山 ユエ
はい
扇 幸之介
私は...懸命に働く
魅力的な貴女を以前から
好きなのですよ
杜山 ユエ
えっ!
扇 幸之介
ですが、扇家嫡男として
恥ずべき行動
杜山 ユエ
...幸之介さん
扇 幸之介
浮ついた浅はかな考えで
ユエさんの言葉に
戸惑ってしまったのです
杜山 ユエ
わたしがお頼みしたのです
お気になさらず
扇 幸之介
ですが
また、貴女に...
扇 幸之介
ユエさんに触れたいと
思ってしまうのです
杜山 ユエ
わたしも..若旦那と
同じ気持ちですよ///
扇 幸之介
...!
扇 幸之介
ありがとう。
杜山 ユエ
はい..//
杜山 ユエ
また...会えますか?
扇 幸之介
えぇ、屋敷に招待しましょう
きっと父母も喜ぶ
扇 幸之介
貴女のように魅力的な
女子は他に居ない
杜山 ユエ
褒めても何も出ませんよ?
でも、ありがとうございます
扇 幸之介
月が綺麗な日がいいでしょう
杜山 ユエ
柿紅葉も見たいです
扇 幸之介
なら、良夜の晩にしよう
杜山 ユエ
はい。良夜の晩に
┈┈┈

川面に映る二枚の葉は

ほのかな薄月の宵に

愛を語り、口づけを。
~END~

プリ小説オーディオドラマ