第88話

88話
633
2020/04/26 22:19
紫耀
紫耀
……何やってんだよ。
あなた

……っ!

廉
…………
振り向くとそこには、平野先輩の姿があった。
あなた

せ、先輩……

廉
誰やお前。
あなた

ちょ、れ……

紫耀
紫耀
てめぇ何してくれてんの?
廉
は?なんや?キスしたなったから、キスしただけやで?それの何が悪いんや?
紫耀
紫耀
俺のあなたに、勝手に手ぇ出してんじゃねーよ。
廉
なんやそれ?コイツは俺のもんや。
あなた

ちょっと廉!

廉
ギューッ!
廉は、私の事を、さっきよりも強く、抱き締めてきた。
あなた

あ、ちょ……

紫耀
紫耀
っ!
廉
コイツは誰にも渡さねぇよ。
俺のもんだから。
あなた

廉……

廉
チュッ
あなた

……んん!

廉はまた、私の唇にキスしてきた。
紫耀
紫耀
……っ!クッソ!
あなた

ひゃ!

私は、平野先輩に、腕を引っ張られて、気づいたら、平野先輩の腕の中にいた。
廉
……っ!
あなた

せ、先輩?

紫耀
紫耀
ごめん。
あなた

……へ?

紫耀
紫耀
チュッ
私の唇に、先輩の唇が、重なった。
あなた

……!!

廉
っ!何やってんねん!
紫耀
紫耀
……俺だって、キスしたくなったから、キスしただけだから。
廉
……は?
紫耀
紫耀
何が悪いの?
廉
…………
紫耀
紫耀
コイツは、お前だけのもんじゃねぇよ。
廉
…………
紫耀
紫耀
じゃ。
先輩は、そう言って、私の事を離して、体育館に戻った。
廉
……ごめん。
あなた

……へ?

廉
…俺、間違えとったわ。
あなた

…間違えた?

廉
…おん。
廉
じゃ、俺先帰るわ。
あなた

あ、うん。ばいばい。

そう言って廉くんは、スタスタと歩いていってしまった。

プリ小説オーディオドラマ