角名「…チューペット買ってくる」
あなた「あ、私もいく!」
侑「ほな俺も」
角名「2人でいい大人数で行ったら混雑する」
あなた「あー…侑くんの分も買ってくるから!治くんも」
治「ほな夏川の奢りな」
あなた「…はい」
という流れで、私は今角名くんとチューペット列に並んでいます。
目の前でずっとカップルがいちゃついている。
見せびらかすなっ!!
でも、今こうなってるってことは、どっちかが想いを伝えたんだよね…。
私も、いつか伝わるかな。
角名「…夏川、おい」
あなた「わっ」
目の前に整った顔が飛び込んできて、思わず後ずさる。
チベット角名ギツネ…。
角名「カップル、羨ましいの?」
あなた「いやいやっ!違いますってぇ〜!」
あははーと誤魔化すように笑ってみても、効果はないようだ。
角名「…俺がなってあげよっか。彼氏役」
あなた「へっ!?」
彼の爆弾発言に、私はさらに後ずさった。
えっ、いやだってビックリするよね?
…こんなの、告白みたいじゃん。
私はなんとか平静を装う。
あなた「もー角名くん!冗談はやめ…て…」
角名「は?」
何故か怒ったような顔の角名くん。
角名「俺が本気に見えない?」
彼は「もー頭きた」とでもいうように、長い列から私を連れ出す。
あなた「角名くん、いいの!?結構前まで進んでたのに…」
角名「良い」
あなた「え、」
神社の稲荷の石に追い詰められ、ガッと顎を掴まれる。
あなた「は、はな…」
角名「…腹立つ顔」
あなた「んご、ごふぇ…」
角名「言うつもりなかったけど」
彼の顔が少しずつ近づいてくる。
私は反射的に目を瞑る。
角名「俺お前のこと、好きなんだけど?」
あなた「え?…」
彼は直前で顔をとめる。
それでも少しでも動けば唇はくっつきそうでどうにも動けない。
角名「……お節介が来たわ。良かったな」
彼の目線の先に立つ人は____________
北「……何してんねん、角名」
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読んでくださりありがとうございました!
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!