あなた「んー、お肉とキャベツと…お菓子?」
侑「アホ、お菓子は買う予定ないやろ」
後ろからチョップをくらい、「ぐえっ」と変な声が出る。
あなた「痛い……」
治「ツムのせいであなたが怪我したらどうするん?あなた、俺と回ろ」
侑「ごめんって!!俺も一緒に回るし!!」
あなた「もー、オーバーリアクションした私も悪かったって」
侑くんは途中で『お菓子見てくるー』と言いながらお菓子コーナーへ行ってしまった。
さっきお菓子買う予定ないって言ってたの誰だよ。
だから、今は私と治くんの2人だけ。
侑くん、お菓子買いに行く前に治くんに何か耳打ちしてたけど、何だろうな…。
あなた「…あ、それ牛肉でしょ?豚肉を今日は使います」
治「…どっちも一緒やんか」
むうっとほっぺを膨らませて拗ねた素振りを見せる治くんは、弟みたいで可愛い。
そう考えれば、いつも頼りになる侑くんはお兄ちゃんみたいだなぁ…。
あなた「…君たちは、私の兄弟ですか?」
治「は?」
あなた「あっ、ごめん。治くんが弟みたいで可愛いなーって思っちゃって笑」
カゴを持ってない方の手で『ごめん』とお地蔵さんポーズを取る。
すると、治くんは__________
治「は?」
…怒った。
何で!?今怒るところじゃなかった!!
はっ、そういうことか!!
あなた「弟とか言ってごめん!見下されたりするの嫌だよね!治くんもお兄ちゃn」
治「そういうことちゃうねん」
じりじりとにじり寄ってくる治くん。
微かな怒気と大人っぽさを含んだ表情に、心臓の音が大きく速くなっていく。
治「ツムが『手出すな』ってさっき言ってたけど、あいつの言うことなんか聞かへん。あなたに思い知らせる」
あなた「思い、しらせる?」
治「俺も男やって______________」
侑「くぉらあああああああ!!!何してんねんサムうううううう!!!」
般若のような顔で飛びかかってきた侑くんに、ビビり上がった私達でした。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!