第3話

返事
1,122
2021/01/31 02:40

ーー
北先輩、こんにちは。


2年の夏川です。


侑くんと同じクラスなんですけど…いきなりですみません!


廊下にペンがおちていたんですけど、そのペン、北先輩のものみたいで…。


ここに置いておきます。


バレー頑張ってくださいね!



夏川

ーー




あなた「こんな感じ…?」


侑くんが盗んできた北先輩のペンをノートに挟む。


きっかけはちゃんと作ってくれた。


ここから、会話が続くかどうか…。



侑「早速書いてくれてるんやな」


ひょこっと顔を覗かせた侑くんに、ビクッと肩が跳ねる。


あなた「う、うん…!書き終わったよ!」


はい、と彼にノートを渡すと、彼はまたニカッと笑ってくれた。



「侑くんがわろてる…」


「かわいすぎ!」


「ってか何なのあの子…」



ひいっ…!!


視線が!!怖い!!



侑「…コイツに、んな視線向けんなや」


侑くんはぎろりと彼女らを睨むと、またこちらに視線を戻した。


あれ、笑顔に戻ってる。


侑「これ渡しとくけんな!」


あなた「うん…」


彼はニコッと笑うと、ノートを持って廊下に出て行った。










放課後。


帰ろうとしたら、下駄箱の中にあのノートが入っていた。


中を開いてみると、まさかの…




ーー

夏川さん、ありがとうな。


侑が迷惑かけてへんか?


面と向かってお礼が言いたい。


放課後、空いてたら体育館に来れるか?


北信介


ーー


一つ一つの文字が丁寧に書かれた綺麗な文字。


ご丁寧に返事が書かれてた…!



ノートに返事が来ることって、こんなに嬉しいことだったのか!


私はそのノートを抱え込んで、体育館に向かった。












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読んでくださりありがとうございました!

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