あなた「もうこんな時間…寝よっか」
侑「せやな……」
ぼーっとしてる?
あなた「…侑くん?」
侑「うわっ!!何やねん急に!!」
あなた「え、そろそろ寝ようかって…ごめん」
侑「いや、謝ることでもないんやけどさ、」
あなた「そ…。治くんよんでくるね」
侑「待ってや」
あなた「っ!?」
立ち上がろうとしたところで急に手を引かれ、私は侑くんの上に転がった。
ごめん待って、これどういう状況!?わかんないんだけど!!
あなた「侑くん…?どうしたの?」
侑「……もうちょっと2人がええ」
甘えるような声で抱きしめてくるので、流石にそれを振り切ることなんてできなくて。
私はゆっくりと起き上がって体勢を整えながら、もう一度彼を抱きしめなおした。
あなた「…これでいい、ですか?」
流石に照れ臭くて、敬語になってしまう。
頬と耳…全身が熱くなっていくのがわかった。
心拍数急上昇中。
緊張していることをバラしたくなくて、彼の胸に顔を埋める。
侑「それはあかんやろ……」
あなた「…何が?」
侑「そんなんされたら……」
唐突に強く抱きしめられて、息がうっと詰まる。
でも彼の声は震えていて、切なくて_________。
侑「そんなん言われたら、離したくなくなるやろ……?」
あなた「!?」
どういうこと…?
侑「俺は……北さんのために、お前を諦めなあかんねん……でも、そんなんされたら…もっと好きになる。諦めがきかんくなるんよ。分かっとる?あなた」
ん?北さんのために?
私の恋を応援する、とかじゃなくて?
北さんのために、って言ったよね?
でもさ、それって…『北先輩が私のことを好き』じゃないと成り立たないわけで。
いや…そんなわけないか。
侑くん、混乱して上手く話せないだけなんだよね。
分かってる。
でも、少しでも期待しちゃう自分がいるんだ___________。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!