第38話

侑くんの気持ち
710
2021/04/05 22:00

あなた「もうこんな時間…寝よっか」


侑「せやな……」


ぼーっとしてる?


あなた「…侑くん?」


侑「うわっ!!何やねん急に!!」


あなた「え、そろそろ寝ようかって…ごめん」


侑「いや、謝ることでもないんやけどさ、」


あなた「そ…。治くんよんでくるね」


侑「待ってや」


あなた「っ!?」


立ち上がろうとしたところで急に手を引かれ、私は侑くんの上に転がった。


ごめん待って、これどういう状況!?わかんないんだけど!!



あなた「侑くん…?どうしたの?」


侑「……もうちょっと2人がええ」


甘えるような声で抱きしめてくるので、流石にそれを振り切ることなんてできなくて。


私はゆっくりと起き上がって体勢を整えながら、もう一度彼を抱きしめなおした。


あなた「…これでいい、ですか?」


流石に照れ臭くて、敬語になってしまう。


頬と耳…全身が熱くなっていくのがわかった。


心拍数急上昇中。


緊張していることをバラしたくなくて、彼の胸に顔を埋める。



侑「それはあかんやろ……」


あなた「…何が?」


侑「そんなんされたら……」



唐突に強く抱きしめられて、息がうっと詰まる。


でも彼の声は震えていて、切なくて_________。












侑「そんなん言われたら、離したくなくなるやろ……?」



あなた「!?」



どういうこと…?




侑「俺は……北さんのために、お前を諦めなあかんねん……でも、そんなんされたら…もっと好きになる。諦めがきかんくなるんよ。分かっとる?あなた」



ん?北さんのために?


私の恋を応援する、とかじゃなくて?


北さんのために、って言ったよね?


でもさ、それって…『北先輩が私のことを好き』じゃないと成り立たないわけで。


いや…そんなわけないか。


侑くん、混乱して上手く話せないだけなんだよね。


分かってる。





でも、少しでも期待しちゃう自分がいるんだ___________。








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