第16話

角名くんの告白
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2021/02/20 23:10

あなた「…あ、角名くん」


角名「ん」


彼は、稲荷のところでずっと待ってくれていたようだった。


腕組みをして、稲荷に寄りかかっている。



角名「…帰る?」


あなた「うん…」



あの小事件があった後だし、少し気まずい。


あなた「…双子君達は?」


角名「帰っとけって言った。2人で帰りたかった」




もう、すぐ角名くんはそんなことを…!


私達は、一定の距離を保ったまま歩き出す。



あなた「…私、告白した」


角名「…うん。そうだろうなって思った」



あなた「…伝わんなかった」


角名「え…」



その時、振り返った彼の目が。



切なくて、優しくて……




あなた「っ…つたわらなかったよ…」



涙が溢れた。



初めてあんなに勇気を出した。



私を守ってくれていたマスクを取るにも、あんな緊張入らなかった。




でも、伝わらなくて。



花火と被ったのは偶然だけど、再度伝えられなかったのが悔しい。



角名「…また言えばいいのに」


あなた「無理だよ」


角名「俺は言える。夏川、好きだよ。大好き」


あなた「ちょ、」




角名「お前のことが好きな人に、相談とかすんな」



あなた「!!」





角名「…初めて綺麗だと思った」



彼はすっと目を細める。



角名「純粋な…夏川のその濁らない目がずっと好きだった」



あなた「どういうこと…?」




角名「接していくうちに、その目は夏川の中身をまんま映しているって分かった。真っ白で、どこかに悩みを抱えている」







角名「…ほら、俺はもう全部言ったよ。次は夏川の番」


あなた「私の…?」






角名「…俺みたいに、気持ちを伝えるんだよ」



…!!!







角名「これからも、好きでいさせてね」






あなた「…うんっ…!ありがとう…!」




あぁ、枯れたと思ったのに。







角名くん、ありがとう。






君のおかげで、また頑張ってみようかなって思ったよ_____________

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