第14話

伝わらない
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2021/02/19 23:21

あなた「好きです!」




花火の音にかき消された私の告白。


彼は、こちらをゆっくりと振り返り、小さく首を傾げた。



北「…ん?何や?」



やめて、そんな優しい目をしないで。



再度気持ちを伝えられない自分が情けない。



私は小さく笑って、夜空を指差した。



あなた「…今の、。綺麗でしたね」


北「…あぁ。ほんまやな」



目頭に熱が溜まっていくのに気づいて、上を向いた。



あなた「ふぅー…っ」



そうしていないと、涙がこぼれそう。




好きです。




精一杯出した勇気は伝わらなかったけど。




多分、この日は



きっと、忘れられない__________











角名side


北さんを追いかけて行った夏川。


その顔が物語っていた。



『私、北さんが好きなんだ』って。



告白、したかな。



「頑張れ」って、言えばよかった。


たった一言、それだけなのに。




角名「何で言えないんだよ……」




応援したくないと思った。



北さんの方が何でもできる。


隠れて女子にも人気だ。



北さんには敵わない。


でも何故か、北さんと張り合いたくなる。



これは、夏川と会ってから考えるようになったこと。


あいつ、不思議な魔法でも使えんの?





…………なんて。




もう誤魔化すのはやめだ。



もうこれは、認めるしかない…けど。



夏川、もう告白したんだろうな…



悪い雰囲気はなかったから、多分2人は付き合い始めるだろう。




これは、自覚するのが遅すぎた罰だ。




はぁ………









1人で立ち尽くしてる俺、かっこ悪。









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