ーもふ。sideー
なんとなくそんな会話が聞こえた
羨むしかない。
俺は何もできない。
想像の「もふ。」でいるためにどれだけ俺が頑張っているか。
早く寝よう。
考え出すときりがない
早く寝て、全て忘れよう。
寝てる時は何も考えないから楽だ。
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苦しい。
楽なはずなのに、どうしてこんなにも苦しいんだろう
まるで…………
ああ、そうか。苦しい理由がわかった。
色んな感情が混ざりあってるから苦しいんだ。
感情の海に溺れて、流されて、上を目指して足掻いても逆にどんどん沈んでいく
もう、どうでもいいや
どうせあの頃には戻れないんだし
それならいっそのこと、ずっと沈んでいたい。
仮面は消えないし剥がれない。
もう何もかも嫌になる。
でも、疲れきって叫ぶ気にもならないんだ。
ずっとここにいたい。
もう、嫌だ。
あの場所は僕には勿体無い。
嫌なわけじゃない、居心地が悪いわけじゃない、
みんなが嫌いなわけじゃない
でも、嫌なんだ。居心地が良すぎて辛いんだ。
みんなの優しさが辛いんだ。
戻りたい。…………に戻りたい。
あれ、名前が出てこない。
俺は誰に戻りたい?
僕の名前は何だった?
あの子に、何回も呼ばれて名前が思い出せない
そもそも俺は誰に名前を呼ばれていた?
思い出せない。
記憶にモヤがかかってるみたいに思い出すことが
出来ない。
思い出せないならいっそのこと沈み続けてしまいたい
その方が楽だ。
このまま、感情の海に溺れ続けてしまいたい
もう、起きたくない、眠り続けたい。
ずっと、このまま
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そっか、起きちゃったんだ。
まぁ、いいや。
起きてしまったのなら、みんなのところへ行こう
身支度をして、剥がれない仮面を着けて、みんなが
望む「天才のもふ。」になって。
__________To be continued
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!