前の話
一覧へ
次の話

第1話

私の正体……Part2
359
2019/06/17 09:26
ビルの入口へと向かった私。

すると、
???
そこの者止まりなさい
と、黒いスーツにサングラスをかけた

男にそう言われた
あなた
え?
私ですか?
???
そうだ。
貴様、此処へ何しに来た?
あなた
私は、ただある人に言われて来ただけですが何か?
???
貴様……此処をどこだか分かっているのか!!
そしてサングラスの男は続けてこう言

った
???
此処は、ポートマフィアの本拠地のビルであるぞ!!
あなた
ポート…マフィア……?
え?ポートマフィアってあの?

でも何故?太宰さんはポートマフィア

の本拠地へ行けと言っていたの???
???
貴様、先程ある男に此処へ来いと言われたらしいが、その男の名を吐け
戸惑う私をよそに、サングラスの男は

そう言った
あなた
太宰 治さんですが…
???
!?
???
…………入れ
そう言ってサングラスの男は、少し怯

えて私をビルの中へと入れてくれた。
────────────────

ビルの中は人がいるのかと心配になる

くらい薄暗く静かだった

私は太宰さんから貰った住所と地図の

他にメモがあったことに気がついた。

メモには、
「ビルの最上階に行くといい。森 鴎外という名と私の名を出せばきっと案内してくれる人がいるはずだよ。」

と記してあった

どうゆうことだろうと思いながらとり

あえず、ビルの最上階へ向かった。

あなた
最上階って……ハァハァ何階なの??ハァハァ
エレベーターってものは無いの??
そうブツブツと階段を登って行った。

どこまでなんだろうか。

歩きすぎて、もう永遠と続くのではな

いかと思う程だった。

その時─────
???
おい、誰だ?手前。
あなた
??
どこから声がするんだ?

キョロキョロ当たり見渡しても誰もい

ない。
???
上だよ
あなた
上?
言われるとおり上を見ると、黒い帽子

を被った男が赤い光を放って、

なんと

天井にくっついていたのだ!!
あなた
え?人が…天井に……!?
あなた誰??
???
その前に俺の質問に答えろや。
手前は誰だ
あなた
わ、私は……翠崎 志和……
???
志和………聞いたことない名だな。
俺は中原中也だ。
手前、此処の奴か?この先は首領のいる最上階だ。
何の用で此処に来た?
あなた
私はポートマフィアの人じゃない
訳あって、太宰さんに言われて森さんに逢いに来た
それだけ……です
中也の圧が強すぎて、語尾にですを付

けてしまった

遠回しに行ったが結構…怖い(;A;)
中也
中也
あァ?太宰だあ?
そう言うと、ふわっと私の目の前に立

ち、私の胸ぐらを掴んで来た
中也
中也
志和…つったか手前。
太宰の野郎の代わりに俺の嫌がらせをしに来たってか?
ハッアイツのやることにしちゃぁ、ちと
ひでぇなぁ
女だかなんだか知らねぇが、俺を油断させようってんなら甘ぇぜ?
手前を人質にこっちが逆にアイツの嫌がらせをしてやんよ
あなた
そんなことじゃ、太宰さんはビクともしないんじゃ……??
あれ?何言ってんの?私……

逆に挑発してどうすんのーー!!!
中也
中也
なら試してみるかぁあ!!?
中也の拳が私に襲いかかってきた。

私は怖くて目を思い切り瞑った。

……………………助けて!!!!
中也
中也
…………
あなた
………???
恐る恐る目を開けると、中也の拳は、

私の目の前で止まっていた。

すると、いきなり中也が私に抱きつい

てきた
あなた
え?え?え?
何???え?どうゆうこと?!?
アタフタアタフタ
中也
中也
………嗚呼、俺ァなんてことしようとしてんだ…
こんな可愛い子を殴る?巫山戯んな

………悪かったな志和。手前を怖がらせちまって
あなた
ふぁっ!?
えっと………私の方こそ、ごめんね
私が挑発しなければこんなことには……
中也
中也
いいや。謝んなくていい。
手前がからかうなんざ可愛いもんさ
そう言って、さらに強く抱きしめられ

た。

…………何なんだこの状況。

私もノリで合わせたけど…中也に何が

あったの?
中也
中也
手前、首領のとこに行くんだろ?
俺も一緒に行ってやる
やっと離してくれた……フゥ
あなた
一緒に行ってくれるの…?
中也
中也
ああ。
そう言って中也が歩き始めた。

一方で私はそこで呆然としていた。
中也
中也
?おいどうした?早くしねぇと置いてくぞ。
あなた
え、あの…
中也
中也
……分かった
そう言って中也が私をお姫様抱っこし

あなた
え?ちょっ……
中也
中也
?動けねぇんだろ?俺が運んでやるからじっとしとけ
あなた
………////
誰だよこの紳士……//////

さっきまであんなに怖かったのに…

そんなことも知らない中也は淡々と歩

いていた。そしてやっと森さんのいる

最上階に着いた。
中也
中也
着いたぞ。
こっからは動けるな?
そう言って私を優しく下ろした。
もう合わせよう。
あなた
うん。ありがとうニコ
中也
中也
……!別に、大したことじゃねえよ///
え?中也が赤くなってる……

私何かした??お礼言っただけで…

そして何かとてつもなく嫌な予感がし

ながらも大きな扉の前に立った。
中也
中也
首領。客人が来ております。
森さん
森さん
……入りなさい
怪しく響く声と同時に扉が開いた。
中也
中也
失礼します
あなた
し、失礼します……
中也
中也
首領、太宰からの客人だそうです
森さん
森さん
太宰君から?
森さんの目線が中也から私に移る。
あなた
は、はい。
実は、太宰さんから、このビルに行くようにと…
森さん
森さん
ほぉ、それで?要件は何かね?
あなた
はい、森さんに私の異能力を見てもらいたいのです。
少し前に太宰さんから、私は異能力者であることを知って、なんの異能か見てもらえと……
森さん
森さん
成程。
君は太宰君の友人で?
あなた
いえ。最近知り合ったばかりです。
親に捨てられ、行くところもなく横浜をさまよっている時、太宰さんに助けられたんです。
森さん
森さん
………分かった。
では今から君の異能力を確かめてあげよう。
そう言って森さんは私の前に立って手

を私の額あたりに当てた。

──────────────────────────────
────────
────

森さん
森さん
終わったよ
あなた
どう…でしたか…?
森さん
森さん
うん。
………君、名はなんと言うんだい?
あなた
翠崎 志和……です
森さん
森さん
そう。
志和君。君、ポートマフィアに入る気は無いかね?
あなた
え?
森さん
森さん
君の異能を見せてもらったが、これはとてつもなく強大な力を持っているようだ。
私の知る限りだと、君の異能は大昔前に存在した異能力者の末裔であると考えた
私の聞いた話だとこうだ。

私は大昔にいた強力な異能を持った伝

説の異能力者の末裔であり、その血を

受け継いでいるのだという。
その能力の名は──────────

────────「第七官界彷徨」。

この能力は、老若男女、全ての人や物

の人格、価値、精神を操る能力らしく

その能力を持ったものには効かず、さ

らに異能は本人は、無意識の内に発動

してしまう為、非常に危険なんだと

か。
あなた
……そういうことなんですね。
だから太宰さんは………
森さん
森さん
流石は太宰君……と言ったところだね
あなた
あの、森さん
森さん
森さん
何かね?
あなた
実は、何度か異能を発動してしまったことがあったのですが、どうやったら消すことが出来るのでしょうか?
森さん
森さん
なぁに、簡単な話さ。太宰君を使えばいい。
あなた
太宰さんを?
森さん
森さん
あぁ。
そして、森さんは指を鳴らした。
森さん
森さん
中也君
中也
中也
はい。なんでしょうか首領。
森さん
森さん
今から武装探偵社へ向かい太宰君を呼んできなさい
中也
中也
私が………ですか?
森さん
森さん
そうだが、何か問題でも?
森さんは怪しく笑い、悪気のない口調

でそう言った
あなた
(森さんは、太宰さんと中也が仲悪いこと知らないのかな…)
中也
中也
…分かりました。首領のご命令とあればなんなりと。
制限時間は?
森さん
森さん
5分で呼んできなさい
中也
中也
了解しました
そう言って中也は赤い光を帯び森さん

の部屋を出た
あなた
あの、森さん
森さん
森さん
何かね?
あなた
中也も太宰さんも異能力者なのですか?
森さん
森さん
そうだよ。
ちなみにだけど、中也君は、重力を操る能力。
「汚れっちまった悲しみに」
太宰君は、全ての異能力を無効化する能力。
「人間失格」の異能力者だよ。
あなた
(そうか、だからあの時、私の異能力が消えたのか…)
そう会話をしているうちに、森さんは

驚くべきことを言った
森さん
森さん
志和君。
君は、中也君に異能をかけたね?
あなた
え?
森さん
森さん
ここに来る前、中也君に異変が起きただろう?
…なんで知ってるんだ?
あなた
あ、ありましたね。
太宰さんの名を出した時、私を殴ろうとしました。けど私が目を瞑ってからいきなり態度が変わったような…
森さん
森さん
それだよ。
つまり君の異能が発動し、中也君の精神を操ったのだよ
あなた
………
その時、私は気づいた。

森さんは、最初から私が疑問に思って

いたことが分かっていてこんなことを

したのか……

プリ小説オーディオドラマ