今日はモトキくんの家に遊びに来ています。
ここに来る前に、グミを買っておいたんです!
モトキくん、喜んでくれるかな?
期間限定のグミだから、きっと喜ぶはず!
え…?どうしたんだろ?
名前を呼ぼうとすると、手で口を押さえられた。
その声は優しくて、
どこか寂しそうで。
泣きそうな声で言ってくる。
もっと悲しそうな表情と、声になってしまった。
すると、モトキくんは
手を離して抱きついてきた。
いつもより可愛らしい声で聞かれたので、
意地悪したくなる。
予想外の答えだったのか、
私の服に埋めていた顔をあげた。
元気になったみたいでよかった。
そんな直球に言われると…
私は照れていることを隠すため、
口に手を当てた。
下からモトキくんが覗いてくる。
言い合ってる合間に食べるグミは、
今までにないくらい、甘くて
とても美味しかった…
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!