第117話

115.
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2021/11/30 10:25





ベランダに出てラウールに電話をかけると


すぐに呼び出し音が切れる



_ラウ「秋くん!!!」

『何してんの?』



元気よく俺の名前を読んでくるラウールに


面白くなって、そんなことを聞いてみる



_ラウ「今ね、康二くんとテレビ見てた!」

『じゃあ、康二もいるの?』

_向井「おるで、楽しんでるん?」

『めっちゃ楽しいよ』

_向井「こっちはラウールが秋君秋君うるさくて困ってるわ」

_ラウ「康二くん、言わなくていいから」

『なにそれ、かわいい』



そんなことを言ってくれるラウールに


顔を見えないことをいいことに


口角が上がってしまう



_ラウ「明日何時ぐらいに帰ってくる?」

『うーん、どうだろう、夕方とかかな?』

_ラウ「わかった、待ってるね」

『なに、寂しいの?』

_ラウ「当たり前じゃん、」

『お土産もちゃんと買ってあるから』



それから、また電話越しでも嬉しそうな


声が聞こえてくる


後ろの方で阿部ちゃんの声がして


最後に「学校お疲れ様」とだけ伝えて


電話が切れた


部屋に戻り席に翔太の隣に座る



『わりぃ、ながくなった』



そう言いながら水を1口飲む


でも、明らかに水の味ではない


驚いてむせる俺を見て


ケラケラと笑っている翔太



『おい、翔太』

渡辺「なに、?」

『何じゃねぇって、お前これ絶対お酒だろっ、』

渡辺「あたりー」



やられた、警戒してたつもりが


完全に気を抜いた。


まだ笑っている翔太を叩いて


そんな翔太に呆れながらも


水を飲んで落ち着かせる



『翔太、ほんとにお酒だけはダメなの』

渡辺「ごめんって、」

『思ってねぇだろっ、』

渡辺「ごめんなさい!」



顔の前で手を合わせながら、謝ってくる翔太


そんな翔太に怒りながらも


1口飲んだだけなのに


もう体は既にぽかぽかと暖かかった














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