第133話

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2021/12/01 09:16





目黒とリビングに入り



『ごめん、遅くなった』



とだけ舘さんに謝ったあと


部屋に荷物を置きシャワーを浴びる


濡れた髪をタオルで拭きながら


リビングに入り冷蔵庫から水をとって


テレビを見ている翔太の隣に座った



渡辺「目黒とどこ行ってたの」



そんな俺の横で、


テレビに視線を向けたまま


そう聞いてくる翔太



『べつに、』



なんて、あえて誤魔化せば


どこ、なんて言ってまた聞いてくる



『どこでもいいでしょ、』



素っ気なく返して


俺、寝るね、なんて言って立つ俺の腕を掴む



渡辺「言えないようなとこなの?」



なんて聞いてくるから


ついつい面白くなる



『ぶらぶらしてただけだよ、』



なんて笑いながら返せば


何も言わずに腕を離してくれる


そんな翔太の隣にもう1回隣に座る



『なに、なんかあった、?』



なんて翔太の顔を覗き込みながら聞くと



渡辺「なんもねぇよっ、」



なんて言って体を押し返す


さっきまではしつこく聞いてきたくせに


急に素っ気なくなる



『変なのっ、』



なんて言って笑いながら水を飲む


かと思えば、今度は何故かずっと俺の顔を見る



『なに、今日翔太変だよ、なん』



なんかあったんでしょ


そう言おうとする前に


俺の腕を、ぐいっ、と引き寄せて


そのまま抱きしめられる



『え、なに、ほんとにおかしいよ』



なんて言う俺の耳元で


翔太の声がした



渡辺「本当は女なんだから、こんな時間まで外にいたら危ないじゃん」



なんて言ってくる


めめがいたから大丈夫なのに、


なんて思うのと同時に


相変わらず過保護だな、なんて笑えてくる



『ありがと、気をつける』



それだけ言って翔太から離れる


おやすみ、なんて言ったあと


リビングを出ようとすれば


面白そうに笑いながら


こっちを向く阿部ちゃんと目が合う



『なに、?』

阿部「え、なんでもないよ」

「気になるだろっ、」



そんな俺に



阿部「翔太と仲いいね」



とだけ言ってリビングを出て行ってしまった


阿部ちゃんがリビングを出ていったあと


何故か恥ずかしくなってきて


手で顔を仰いだあと


急いで自分の部屋に向かった








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