第131話

129.
15,852
2021/12/01 08:53





テレビ収録が終わり楽屋に戻る


今日は目黒と二人だけ


少し収録が長引いたせいで外はもう暗い



『もうだいぶ暗いね、早く帰らないと心配かけちゃう』



そう言いながら荷物をまとめた



目黒「秋君、寄り道してこ」

『え、聞いてた、?』

目黒「聞いてたよ」



何を言い出すかと思えば


意味がわからず固まる俺の前に


スマホ画面を突き出す


そこには、ちゃんと舘さんの許可を取ってある証拠のトーク画面



目黒「てことで、夜デートね」



そう言って自分のスマホをポケットにしまうと


行こ、なんて言って楽屋を出る


そんな目黒の後ろを小走りでついて行く



『目黒、何、デートって、カップルじゃないんだから』



なんて笑ってツッコミながら横に並ぶ


そんな俺に、急に立ち止まる目黒



『え、なに』



振り返るれば、珍しく不機嫌そうな顔をする


そんな目黒に、もう一度だけ


どーしたの、と聞く



目黒「俺、女の子から目黒呼びは嫌だ」



なんて、また、変なことを言い出す



『いや、でも、目黒は目黒だし』

目黒「せめて、めめがいい」

『えー』

目黒「2人でいる時だけ」



そう言うと私の手を取ってまた歩き出す


そんな目黒に面白くなって



『わかった、めめ』



なんて言うと嬉しそうに



目黒「うん」



なんて言う


そんな姿は少しだけ可愛かった


夜の街中をなにか目的があるわけでもなく


ただただ手をつなぎ、笑い合いながら歩く


それだけでもすごく幸せだった


あっという間に時間はすぎて


オシャレなお店で夜ご飯を食べたあと


カフェによって飲み物を買って


シェアハウスまで帰る


時間はもう11時を回っていた



『遅くなっちゃったね』

目黒「ね、」

『でも、たまにはありだね、こうゆう時間も』

目黒「俺もめっちゃ楽しかった」



なんて2人で笑い合いながら歩く


呼び方もいつの間にか普通に


あなた、なんて呼んでいて


一人称も気づけば私になっている


シェアハウスの玄関の前につき



『ここからはちゃんと秋って呼んでね』



そう言って玄関を開けようとすれば



目黒「あなた」



なんて、わざと私の名前を呼ぶ



『だからダメだって、』



そんな私の反応に


満足そうに笑いながら



目黒「ごめんって、秋君」



なんて言って俺の頭を撫でたあと


玄関を開けて中に入ってく目黒



『からかうなよっ、!』



そんな俺を見てまた笑う目黒に


何故かつられて、俺も笑いながらリビングに入った











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