第26話

24.
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2021/10/08 08:16





『うわぁ、まじでけぇ!!』

田中「お前はしゃぎすぎな」

渡辺「久しぶりだな、このメンツ」

田中「いや、ほんとだよ。デビューしてから全然遊んでくれねぇもん」

『忙しいんだよ!!』

渡辺「ありがたいことにね、」



そう、今日は翔太と樹と一緒に


すごいおっきいショッピングモールに来てる


Jrの頃はよくこの3人で練習終わりとかに


色んなとこに遊びに行ってたけど


デビューしてから、忙しくなったから


今日は3人ともテンションが高い


渡辺「てか、樹バレないようにする気ある?」

『それな、何?バレたいの?』

田中「え?いけない?」

『マスクぐらいしろよ』

渡辺「迷惑かける方がダメだろ」



そんな会話をしながら


ちゃんとギリバレないぐらいの格好をして


いざ、お買い物



『最初どこ行く?』

田中「俺ピアス見たい」

『うわ、』

田中「なんだよ」

渡辺「じゃあ、最初はアクセサリー行くか」

田中「Let's go」

『プライベートでもやんなくていいから』



逆に目立つから、なんて言えば


満足したのか、楽しそうに笑う樹



田中「しょっぴーこれどう?」

渡辺「いいじゃん」

田中「お前絶対適当だろ」



隣での、そんな会話を聞きながら


俺も適当にうろちょろする


アクセサリーも、付けないわけじゃないけど


そんな好んで、って言う訳でもない



田中「秋」



名前を呼ばれ振り向けば


手を捕まれそのまま鏡の前まで連れていかれる



田中「え、超似合うよ」

『そうか、?』

田中「しょっぴー、秋これめっちゃ似合ってる事ない?」

渡辺「あー、似合ってる」

『翔太がそんなこと言うとか、珍しい』

渡辺「俺の事なんだと思ってんだよ」



そんなツッコミに


ケラケラと笑っていれば


また、後ろから声がする



_「え!!夢野秋君じゃん!やば!!」



後ろを向けば、樹よりもはるかにチャラそうな


カップルがいた



『あ、ありがとうございます、!』

_「え、まじかっこいいー!!握手とかめっちゃしたーい!」

『あ、全然、いいですよ』



差し出された手を握ってから


もう一度お礼を言えば


明らかに機嫌の悪そうにする彼氏さん



彼氏「別に、こんなん普通だろ」

彼女「えー、普通にかっこいいじゃん!」

彼氏「いや、絶対こうゆう奴性格悪いから」

彼女「ねー、そんな事言わないでよー!」



すごい、本人の前でどストレートだな


どんな反応をしていいのかも分からず


愛想笑いをしておく


ただの嫉妬だと思えば


可愛いとさえ思えたし、


なのに、



渡辺「別に本人の前で言わなくても良いでしょ、言われた方の気持ちも考えろよ」



なんて、いつもより低い声が聞こえる


何となく嫌な予感がして


俺が止めようとする前に


樹が止めてくれた


それから、翔太に腕を捕まれ


そのまま店の外へ出た








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