第31話

29.
19,997
2021/10/09 12:56





本当に、


いつバレて、いつこの居場所がなくなっても


おかしくはなかった


だから、メンバーと一緒に居れる時間は


後悔しないように思う存分楽しんでおこうと思い


いつも通り、楽しそうなメンバーを


ただ眺める



阿部「秋、やめてその顔」

『え、?』



隣から聞こえた声に


驚きながらも聞き返す



阿部「だから、たまにするそのすごい悲しそうな顔、俺めっちゃ嫌いなの」

『それ、ラウールと翔太にも言われた』

阿部「いや、結構ガチで言ってるから、」

『そんな事言われても、わかんないし、』

阿部「なんか、悲しいことでもあるの?」

『無いよ、今のところはみんなといられてるし』

阿部「今のところはって、」



慌てて口角を上げながら


阿部ちゃんとそんな会話をする


それから、俺の隣に座って


顔を見合わせてから



阿部「笑って、」



とだけ言ってくる阿部ちゃん



『へんなの、』

阿部「うん、やっぱり秋は笑ってる顔が一番似合う」

『阿部ちゃんもね、』



なんだかおかしくなって


2人して笑い会う


何してんだろ、


それでも、幸せだと思った



深澤「お前ら隣でイチャイチャすんな」

『は!?別にイチャイチャなんかしてないし!!』

深澤「すごい楽しそうにしてた癖に」

向井「ふっかさん嫉妬?」

深澤「ちげーよ!!」

目黒「図星じゃんっ、」

岩本「今更隠さなくても、もうバレてるよ?秋の事誰よりも大好きなことぐらい」

『え、なにそれ』

深澤「お前引くなって、!!」



そういいながら


俺のことを捕まえる


深澤の腕の中でバタバタと騒ぎながらも


そんな時間ですら


幸せだと思った


こんなことされたら


余計ここにいたくなる。


愛されてる、なんて思えば思う程


ここが居場所じゃなくなる日が


怖くてたまらなくなる


ぎゅっ、と下唇を噛んで


今、この居場所から見える世界を


きちんと目に焼き付けた


いつか、この風景が


当たり前じゃなくなった時でも


思い出せるように





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