第134話

132.
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2021/12/01 14:45





『翔太』

渡辺「なに」

『暑い、離れて』



俺がそう言っても、やだ、なんて言って


後ろから抱きついてきたまま


全然離れてくれない翔太



『動けないから、』



そう言っても、聞こえてないかのように


無視され、離れそうに無い


楽屋でメンバーも全員いる中


堂々とそんなことをしてくるから


後ろを向いて小さい声で


あやしまれるだろ、なんて言う俺に



渡辺「大丈夫」



なんて、適当なことを言って


結局離れてくれない


そんな翔太に笑いながらため息を吐き諦めた



阿部「いつまでイチャイチャしてるの、」



なんて俺たちの方を見て


呆れたようにそう言う阿部ちゃん



向井「ほんまに、最近翔太君と秋君仲良すぎひん?」

ラウ「僕も思う」

佐久間「旅行でもっと仲深まったんじゃない?」

阿部「深まりすぎ、だって距離感おかしいじゃん」



なんて言って俺たちを見て笑っているメンバー


ほら、なんて言った後


無理やり翔太から離れる


それから決まって、不貞腐れたような顔をする


いつも通り、撮影を終わらせ


荷物をまとめたあとみんなで車に乗る


車がシェアハウスに向かって出発すれば



阿部「ほんとに最近翔太と仲いいね」



なんて、隣でそういう阿部ちゃん



『気のせいだよ』

阿部「絶対なんかあったでしょ?」



多分距離感が変わったこと、


もう、阿部ちゃんは気づいてる


でも、理由を話す訳にも行かないまま


なにもない、を突き通す


シェアハウスに着いてから


真っ先に翔太の部屋へ


ノックをして部屋に入ると


俺から部屋に来たことが嬉しかったのか



渡辺「どーした?」



なんて言ってベットから起き上がる翔太


その隣に座った



『明日から必要以上に抱きついてくるの禁止』

渡辺「なんで」

『怪しまれるでしょ』

渡辺「やだ」

『だめ、そもそも付き合ってるわけじゃないんだからおかしいでしょ』



そう言うとまた納得いかないような顔をして


ベットに寝転ぶ



渡辺「前はいいって言ったじゃん」

『いいとは言ってない』



線は引かないといけない。


曖昧なままにしてたら、いつか壊れるから



渡辺「わかった」



小さい声でそう言って起き上がり


そのまま抱きついてくる



『だから、翔太、』

渡辺「明日からでしょ、ならいいじゃん」



なんて少しの間、私のことを抱きしめてくる


翔太から体を離し



『じゃあ、明日からはお願いね』



翔太の方を見たけど、


翔太は目を合わせてこなかった


それだけ言ったあと、翔太の部屋を出た









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