第29話

27.
19,950
2021/10/08 09:37





『いつまでいんの、終電無くなるよ』

田中「俺今日泊まってくぅ、」

『絶対やだ、帰って』

渡辺「え、じゃあ俺も!!」

『だから嫌だって、めんどくさい。本当に終電無くなるよ、』



ほんとに帰らないつもりだろうか、


ヘラヘラと笑う2人を見ながら


少し覚悟を決める



田中「俺1人で帰れねぇ」

渡辺「おれも」



それから、2人して俺の方を見る


顔の前で手を合わせて


声を揃えてお願いしてくるから


渋々了解してしまった


先にシャワーを浴びて


いつもだったらシャワー後はサラシを取るが


今日は2人がいるから


シャワー後もサラシを巻いて


胸を潰してから服を着てリビングへ



『ほら、お前らシャワー』

渡辺「じゃあ、俺先借りる」

『ん、』

田中「秋の家久々、」

『そーだな、てか、そんな酔っ払って明日仕事無いの?』

田中「午前から」

『は、?大丈夫なの?』

田中「俺、二日酔いしないタイプだから」

『いや、知らないけど迷惑はかけないようにね』

田中「まかせろっまかせろっ」

『説得力ねぇな』



翔太がシャワーから出てきて


次は樹がシャワーを浴びに行く



渡辺「化粧水借りていぃ?」

『うん』



相変わらずな翔太に


そう言って化粧水を渡す



渡辺「え、てか、結構いい化粧水使ってんじゃん」

『それ、前翔太がくれたやつな、』

渡辺「あー、。」



それから、また曖昧な返事をする


もう今日は早く寝た方がいい


これで深夜テンションにでも入ったら


それごと終わりだ



渡辺「お前も飲めばいいのに、」



そんなことを言っている翔太を無視して


机の片付けをしていると


樹がシャワーから出てくる



『ちょっ、馬鹿じゃねぇの、!!服着ろって』



ズボンだけを履いたまま


肩にタオルをかけて


リビングに入ってくる樹



田中「なに、そんなに慌ててんだよ」

渡辺「前俺らが着替えてるとこ見ても照れてんだよ、おかしくない?」



本当の理由が言えないのが1番辛い


ギュッと目をつぶったまま


樹をリビングから追い出した


風呂上がりの2人に挟まれながら


今日の余韻に浸かる



渡辺「で?俺らは、どこで寝ればいい?」



すっかり忘れていた


大きなため息をついてから


少し長めの瞬きをした








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