第219話

after story 11
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2022/03/13 13:46





阿部「痛いとことかは?なにされた?」



さっきの怖い顔とは真反対に


私の顔を見て何度もそう聞いてくる



「いや、ほんとに大丈夫だって、よくあるし、、、ぁ、」



それからまた顔が変わる


今日は忙しいな、


なんて思ってる場合ではない



阿部「よくあるの?」

「いや、ごめんっ、今のなし」

阿部「出来るわけないでしょ」



いや、ほんとに、なんて言いながら


何とか免れようとする私に、



阿部「秋、!」



なんて大きな声で呼ぶ阿部ちゃん



「は、い、」

阿部「ちゃんと言って」

「いやっ、でも、!たまにあるぐらいだよ、?!!」



ほんとに、


バレることはよくあるけど、


今日みたいなことは珍しかった



「今日のはちょっとびっくりしたけど、でもっ、!ほんとに大丈夫だから、!」



ねっ、?、と言って


阿部ちゃんの顔を覗けば


じっと目を合う、



阿部「ほんとに心配なの」

「そんな弱くないからっ、!」

阿部「弱いよ、」

「え、?」



無意識に聞き返す私に


叱るような口調で話し出す



阿部「嫌なの、」

「阿部ちゃん、?」

阿部「秋がいなくなることが、怖いから、」



意外な言葉に


何も言えずにその場に黙り込む



阿部「これからはきちんと逃げて、何かあったるすぐ呼ぶこと。」

「はい、」



そんな二人の会話は、


いつかの、阿部ちゃんと夢野秋みたいで、


はたまた、どこにでもいる親子みたいで、


だけど本当は、ただの親友で


なかなか秋呼びが戻らない阿部ちゃん



「阿部ちゃん、」

阿部「大丈夫、翔太には黙っとくから」

「あ、そうじゃなくて、」

阿部「あ、ふっかさんには言うよ?」



全く気づいてない阿部ちゃんに


面白くなって、ついわらってしまう



阿部「秋、?」

「もうあなた呼びでもいいんだよ、?」




そういえば、


思ってた以上に反応がない


阿部ちゃん?なんて聞こうとする私に


わざとそっぽを向く



阿部「もう少し、秋といたいの」



後ろからでもわかるぐらい


耳を真っ赤にして、


顔を隠すように先を歩く


それがなんだか可愛くて、


少しからかった後に


どこか懐かしい時間を過ごした、


もう来ないと思っていた世界に、、



















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