第108話

106.
15,886
2021/11/29 07:13





次の日


洗面所の鏡で、自分の顔を覗き込めば


目の腫れはすっかり治っていた



『よかった、』



思わず、そんな独り言が口から漏れる



目黒「なにが?」



なんて、急にそんな声が聞こえて


振り向けば、後ろには目黒が立ってた



『なんだ、目黒か、』

目黒「なんだ、って何?」

『なんでもない』

目黒「目、治まったね」

『うん、これで今日のYouTube撮影は安心だな』

目黒「よかった」



朝からそんな会話をする横で



向井「秋君!めめ!おはよう!」



なんて、洗面所の前を通りかかった康二が


顔を覗かせた


いつも通りの朝だった。


事務所に行って、


YouTube撮影をして、


無事何事もなく終えた。



ラウ「あー、午後から学校やだなぁ」

『え、ラウール午後から学校行くの?』

ラウ「仕事が午前か午後だけの時はなるべく行かなきゃ行けないの」

向井「単位とか取らなあかんもんな」

ラウ「そうなんだよね」

『頑張って』

ラウ「風邪でもひかないかなぁ」



なんて会話もいつも通り


そんな中で、急に部屋の扉が開いた



深澤「あっ、!滝沢君こんにちは!」



そんな声に入口に視線を向ければ


立っていたのは滝沢くんだった



『えっ、あ、こんにちは』



焦りながらもみんなに合わせて頭を下げた



深澤「どうしました?」



深澤が滝沢君に向かってそう聞けば


俺の方を見る滝沢くん


きちんと目が合ってしまった



滝沢「夢野、ちょっといい?」



ドクン、となる心臓を


抑えるように深呼吸をする


みんながびっくりしたような顔で俺を見てた



『はい、』



なんでもねぇから、とだけみんなに伝え


滝沢君と一緒に部屋を出る


滝沢君の部屋までの廊下


2人の足音がやけに響いているような気がした











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