第111話

109.
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2021/11/30 09:12





目が覚めてスマホの画面を確認すれば


時刻の下には「土曜日」なんて表示


もう土曜日か、と思いながら


サラシをまき部屋を出る



渡辺「おはよう、秋」



俺が部屋を出るのと同じタイミングで


部屋から出てくる翔太



『え、?』

渡辺「なに」

『起きるの早くない?いつも寝てるじゃん』



ドアの前で突っ立っている翔太に


驚きながらそう聞く



渡辺「なんか、目覚めたんだよ」



嘘をつくのは下手なんだ


やけに整えられた髪に


どんだけ早く起きたんだよ、なんて思いながら



『へー、』



なんて、気付かないふりをしながら


本当は少しだけ嬉しかった


それから、階段を降りる翔太の後ろを追いかける



宮舘「あ、2人ともおはよう」



キッチンに立つ舘さんにおはよう、と返して


椅子に座れば


みんなが翔太の方を見る



阿部「翔太起きるの早いね」

岩本「珍しいな」

深澤「今日なんかあったっけ、?」



そんな3人に



『今日翔太と出かけてくる』



そう言えば3人とも気づいたのか


よかったね翔太、なんて言いながら


翔太を茶化す



『ラウールと佐久間、起こしてくるね、』



ご飯を口にかきこみ、


リビングを出ようとしたところで


阿部ちゃんに止められた



阿部「今日、俺が行くよ」



俺が断る隙もなく、


リビングを出ていく阿部ちゃん


自分の部屋へ行き準備をして


またリビングに戻れば


もうみんな起きてきていた



目黒「今日だっけ、翔太君と」

『うん』

目黒「楽しんできてね」

『ありがと、目黒』

向井「お土産忘れんといてな」

『分かってるよ』



そんな会話をする横で、


じっとこっちを見てくる人が1人



ラウ「僕も行きたい」



あまりの可愛さに、


いっその事、連れていきたいとすら


思ってしまった



『学校でしょ』

ラウ「学校嫌だもん」



なんて、言いながらも


嫌々学校のリュックをしょう



ラウ「どうせ今回も泊まってくるんでしょ、」

『多分な、』

ラウ「じゃあ、帰ってきても秋君いないじゃん」



それから、口をとがらせて


反則なぐらい可愛い顔をするラウール


リビングのドアが空いて



渡辺「秋、行くよ」



なんて言う翔太に軽く返してから


もう一度ラウールの方を見る



『学校がんばってな、』



背の高いラウールの頭を


かかとを上げて撫でてから


玄関で待つ翔太の所へと


リビングを出た







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