第38話

36.
19,057
2021/10/10 12:57





今日はロケ


詳しくは聞かされてないけど


どこかの施設へ行くらしい


シェアハウスだからみんなで準備をして


マネを待つ



マネ「おはよう!乗って!」

『おはようございまぁーす、お願いしまーす』



みんなで車に乗りこみ現場に向かう



岩本「今日どんなところなんですか?」

マネ「子供がいっぱいいるところ」

向井「えっ!?俺子供大好きなんやけどっ!!」

渡辺「康二とかめっちゃ好かれそう」

阿部「保育園とかってこと?」

マネ「んー、ちょっと違うかな、」



なんて、会話をしていれば車が止まる


園長さんに挨拶をしてから


食堂のような大きな部屋に行けば


たくさんの子供がいた


部屋に入った瞬間、一斉に囲まれる



_「今日来るって言ってた人、??」

『そーだよ、今日だけだけどよろしくね』

_「ねー、ねー、遊ぼ!!」

『おお、めっちゃ元気だね。いいよ』



年齢はバラバラ


俺の手を引っ張ってグイグイと進んでいくけど


この子達はみんな施設育ちの子


親のいない子達


俺と同じ子も、きっとたくさんいる


そんな過去があるにも関わらず


元気いっぱいに、手を引いて外へ出る



_「僕ね、泥団子とくいだよ」

『へー、懐かしい、俺も作ろっかな』

_「ほら!上手でしょ、!」



そう言って


小さい手に大きな泥団子を乗せて見せてくれる


そんな姿が愛おしくてたまらなかった



『うん、すごい上手!師匠だね、』

_「僕、秋君の師匠になった!!」



そんな無邪気な彼に


声を出して笑った


心の底から、可愛いと思った


そのあとも俺の周りには色んな子が来てくれた



阿部「秋めっちゃ人気だね、」

『ね、俺もこんな好かれるとは思ってなかった』

目黒「マジで秋君の周りにしかみんな行かないじゃん」

ラウ「それか、佐久間くんか康二くんのとこだね」

『やっぱりそこは人気なんだ』

深澤「いや、佐久間と康二は分かるんだけど秋はマジでわかんない」

『おい!深澤!俺が優しそうだからに決まってんだろ!』

渡辺「自分で言うな」



なんて言いながらも


俺は康二や佐久間みたいに


面白いわけじゃないのに


こんなに囲まれる理由がわからなかった


そんなことを考えていれば、また、


小さな女の子に手を引かれた









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