第266話

after story 22
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2022/08/07 14:00





それから、バラエティ番組の撮影が始まり


翔太の隣に座りながら


SnowManの魅力も、俺のことも


きちんと伝わっただろう


自分の納得いくぐらいのトークはできた


撮影が終わってすぐ



_「秋くん、!!」



なんて、いつもこうだからもうわかってたけど


ちゃんとアイドルの顔を作って振り返った



_「今日の秋くん絶好調でしたね!」

「ほんとですか?嬉しいです」



それなのに、俺の配慮も知らずに


他の共演者がまだ周りにいると言うのに


俺の手を握って親しげに俺に笑いかける


こうゆう人ほんとに苦手。


翔太は少し離れたところで


他の共演者への挨拶へ行っていた



_「この後ご飯とかどうですか?」

「ごめんなさい、予定あるんですよ」

_「えー、今日もですかー?」

「また行きましょ!」



完璧なアイドルスマイルで切り抜けた


つもりだった。


体の向きを変えようとした俺の腕を掴む



_「秋くんさ、もしかして私のこと怖がってる?」

「え、?」

_「そうなんでしょ?私が秋くんのファンだから?」

「勘違いですよ、尊敬してますし」

_「じゃあ、今日の予定って何?」

「プライベートなんで」

_「私にくらい教えてくれたっていいでしょ?」

「やめませんか、これから一緒に映画作っていくんだし」

_「そんなことどうでもいい」



いつもと違う。


瞬間的にそう感じた。


いつもは断ればすぐに引いてくれるのに。


今日は違う。怖い。


この問い詰められてる感じ。


目の圧が怖くて小刻みに体が震えた。


翔太、どこにいるの、


助けを求めるように周りを探そうと


視線をずらせば


両頬を掴まれて無理やりキスされた。


あまりにも急で、怖くて怖くて


その体を押し返した。


こわい。



「しょう、たっ、」



頭がクラクラしたまま


周りを見渡そうとする俺の肩を


抱き寄せたのはずっと求めてた匂いだった





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