第148話

146.
15,073
2021/12/05 07:33





お店に入り向かい合って座る



『オシャレな人が行くお店はオシャレなんだね』



アンティークな家具で揃えられた店内を


見渡てからそう言う



目黒「なにそれっ、」

『私こんなオシャレなお店知らないもん』



静かで、上品な、


ぐるりと見渡して彼に視線を戻せば


目を細めて笑う彼があまりにも綺麗で


スマホを取りだして、カメラに収めた



目黒「なんで撮ったの?」

『蓮が映えてたから』

目黒「なにそれ、」



そう言ってまた笑う蓮に撮った写真を見せる



『やっぱりかっこいい』

目黒「一応モデルだよ?」

『そうだった』



なんて会話をしていれば


あっという間に机の上には料理が並ぶ



『蓮からご飯行きたいとか珍しいね』

目黒「そう?」

『うん、そうだよ』



少しの間が空いて


また蓮が口を開く



目黒「翔太君のものになっちゃう前にあなたとの思い出沢山作っておこうと思って」



それだけ言って


ふんわりと笑うから



『私、翔太に告白された』



言うタイミングが今かどうかは分からないけど


そう言った


びっくりすると思っていたのに


そっか、とだけ返す蓮



『驚かないの、?』

目黒「あなたのことだから、ちゃんと振ったんでしょ?」



そう言って私の方を見て言ってくる


蓮にはなんでもお見通しなんだ


そうだよ、という代わりに笑ってみせた



目黒「やっぱり理由は同じなの?」

『うん。隠して、騙して、アイドルやってるんだもん。そんな奴がノコノコと恋愛とか、許されないし、』

目黒「すごいね、俺あなたのこと尊敬する」

『え、なんでっ、』

目黒「俺だったら無理だと思うもん、そんなにちゃんと自分の考え突き通すの」



それは私の考えを


肯定してるのか、否定してるのか、


どっちのニュアンスで捉えるも、違うと思った



目黒「翔太君でも無理なら俺はもっと無理だね」



驚いて顔を上げれば


切なそうな顔をしながらそんなことを言う蓮


返す言葉が分からないまま


ごめんね、とだけ謝った



目黒「あなたは間違ってないよ」



なんて言われたものの、


肯定された気はしなかった。


出よっか、なんて言って席を立ち


お会計も知らない間に済ませていた



『ありがとう』

目黒「男だから」



なんて言ってお店を出てく彼に


笑ったあと私も追いかけるようにお店を出た












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