第114話

112.
15,398
2021/11/30 09:50





どれがいいかなと思いながら


壁にかかっているたくさんのキーホルダーを見る



『こんなにあったら迷うな』



そう言う俺に


これは、なんね言って


俺の目の前にキーホルダーを出してくる



『いや、これカップル用じゃんっ 』



俺の反応に満足したのか


笑いながら、元あった場所にかけ直す



『俺真剣に選んでんだからな、』

渡辺「俺もだよ」

『馬鹿か、どこが』



そんな会話をしながら


結局決まったのは、俺が提案した


不細工な、でも可愛いキャラクターのやつになった



『いいね、こいつめっちゃかわいい』



もう、これと決めてしまったら


愛着が湧いて仕方がない



渡辺「マジでこいつにするの?」



なんて眉間にしわを寄せながら


不安そうに聞いてくる翔太



『うん、俺もうこいつ気に入ったもん』

渡辺「まじで秋のセンスは分かねぇわ」

『なにが、かわいいじゃん』



えー、なんて言いながら


キーホルダーを眺めている翔太を


もう決定なの、と言って無理矢理レジへ連れていく


2人で割り勘をして買ってからお店を出た


早速、背負っているリュックに


キーホルダーをつける



渡辺「え、もうつけたの?」

『うん、かわいいでしょっ、』



ぶらぶらと、揺れるキーホルダーを


見せながら、そういう俺に


じゃあ俺もつける、なんて言って


翔太も自分のバックにつける



『可愛く見えてきたでしょ、?』



バックにつけたキーホルダーを見ながら


満足そうに笑っている翔太に


そう言えば



渡辺「全然、」



なんて言って何故か意地を張る翔太



『嘘つけ、めっちゃ気に入ったくせに』

渡辺「うるせぇ」



ほんとに、わかりやすい


そんな翔太の後ろを俺も走って着いていく


翔太のバックで揺れているキーホルダーを見て


この場所から、居なくなった時には


捨てないと見たら思い出して


会いたくなっちゃったりするんだろうな


なんて、思いながら


翔太に追いつき2人で並んでまたお店を回った















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