第213話

after story 10
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2022/03/13 13:45





急いでタオルを取りに行き


水を1杯コップに入れて持っていく



目黒「ごめん、マジありがと」

『バカは風邪ひかないんじゃないの』

目黒「うわっ、ひっでぇ」



そう言って笑う彼を見て少し安心する



『時間になったら起こすから、それまで休んでて』

目黒「ありがと」

『いいえ、』



空になったコップを持ってキッチンへ


一度立ち止まり、目を閉じる。


それからゆっくりと深呼吸をした


よし、と心の中で唱え


顔をあげれば目の前に阿部ちゃんがいる



『うわっ、なにしてんの』

阿部「こっちのセリフね」

『あぁ、ちょっと、考え事』



そんな私にまた曖昧な相槌をうつ



阿部「ご馳走様。美味しかったよ」

『あ、ありがと。そこ置いといて、』



カウンターに食べ終わったお皿が置かれる



『あっ、!!』

向井「うわっ、なんや、!?」

『起こしに行かなきゃっ、』



朝から少し忙しかったせいで


すっかり忘れていた


驚くこーちゃんをおいて


階段を駆け上がる


いつも通りラウちゃんとさっくんを何とか起こし


翔太の部屋へ



『翔太、!起きて!』



いつも通り声をかけたつもりが


頭にガンガンと響いた


まだ眠そうにしながらも起き上がる翔太



『おはよ、』

翔太「ん、」



「先下降りてるね、」と言って


部屋を出ようとすれば私の腕を急に掴む翔太



翔太「ちょっとこっち来て」



なんの疑いもなく翔太の方に行けば


おでことおでこがくっつく



翔太「寝てろ」



寝ぼけてると思ってたのに


なんでこうも裏切られるのだろう


こうゆうとこだろう



『ごめん、ありがと、でもっ、』



なんて言おうとしても無駄なことは知ってた


掴まれた腕を引っ張られ


視界が反転する



翔太「俺結構起きてんだよ?」



そんなことを言ったあと


ふにゃっ、と笑い体を起こす



翔太「ちょっとまってて、すぐ戻る」



そう言ってバタン、とドアが閉まった














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