第41話

39.
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2021/10/10 14:42





シェアハウスを出て


ラウールと一緒にコンビニへの道を歩く


さりげなく道路側へ行けば



ラウ「ダメだよ秋君、」

『いいの、ラウールまだ高校生なんだから』

ラウ「僕阿部君に怒られちゃうよ?」

『バレるわけないだろ』

ラウ「わかんないよ?」

『いや、わかるよさすがに、』



なんて言いながら


ちゃんと阿部ちゃんから言われたことを


気にしてるラウールが可愛いと思ってしまった


それからコンビニでお菓子、ジュース


お酒も何本か買ってお会計へ行く



ラウ「僕も少しだそうか、?」

『馬鹿か、ラウールまだ高校生だぞ』

ラウ「でも、結構な値段だよ?」

『あとで、深澤に少し請求するから大丈夫』

ラウ「ありがとう」

『うん、高校生はちゃんとありがとうだけ言えれば十分だよ、』



ラウールにそう言って


帰り道もちゃんと俺が道路側を歩く


そんな中、信号で止まっている時


ふと隣の親子が目に入って思い出す


俺、頭冷やしてちゃんと決めるために


外に来たんだ


どうするか、自分で決めなきゃ


言うのか、言わないのか


でも、結局なんのために打ち明けるのだろう


今までも黙ってきたんだから


もうそれでいいんじゃないか、


なんて考えていれば


信号が青になったのが見えて前に進む



ラウ「秋君っっっ!!!!」



かと思えば、


急にラウールの大きな声がして


気づいたらラウールの腕の中にいた



『あっ、ごめん、』

ラウ「ごめんじゃないよっ、!!!車に引かれそうになったんだよ、??!」



俺に向かってそう叫ぶ


ラウールの声は、珍しく怒っていた



『ごめん、ほんとに気をつける』

ラウ「いっつもそうじゃんっ、謝るなら初めからちゃんと気をつけてってっ!!僕秋君が居なくなるなんて、嫌なのっ、!」

『わかった、ありがとう。今度からはちゃんと気をつける』

ラウ「うん、そーして、」

『ごめん、』



ゆっくりと立ち上がってから


シェアハウスまでの道を


また歩き出そうとすれば


いきなり手を掴まれる



『ラウール、?』

ラウ「秋君が危なくないように」

『ダメだね、俺、高校生にまで心配かけて』



ラウールの悲しそうな顔を見て


こんな自分が不甲斐なくなる


大人なんだから、


俺が子供みたいでどうすんだよ


そのあとも、シェアハウスに着くまで


ラウールはずっと俺の手を握ったままだった







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