第65話

63.
18,184
2021/11/06 11:27





全身が一瞬で固まり


息もだんだんとしずらくなる


思い出したくないのに


今すぐにでも忘れたい記憶が


どんどん鮮明に頭に浮かび上がってくる


何も考えれなくなって


ただただその親子を見つめたまま


固まっていると



目黒「秋君、」



なんて声と一緒に、目黒に腕を掴まれ


一通りの少ないところまで連れて行かれる


止まってから俺の頭を優しく撫でる



目黒「大丈夫?」



そう聞く優しすぎる声の一緒に


頭の上に乗せられた手ですら


今は怖くなって


目黒の手が頭に乗るだけでも


過去の状態と重なった



『やめてっ、、っ、!!』



それから、反射的に目黒の手を払う



目黒「あ、ごめん、そーだよね、怖いよね、」



そう言って俺から少し離れる



目黒「何か欲しいものとか、ある?水とか、買ってくるけどっ、」



なんて、言ってくれる目黒


でも、今は、何も声が出なかった



目黒「水買ってくるね」



そんな俺に


そう言って、どこかへ行こうとするから


さっきは自分から拒んだくせに


今は隣に誰かがいてくれないと怖かった



『待ってっ、、っ、!!!』



それから、目黒の背中にそのまま抱きついた



『ごめん、ごめん、おかしいよね俺、わかってる、わかってるけどっ、今はどこにも行かないでっ、』



泣きながら、


目黒に抱きついたまま


どこかへ行ってしまわないように


これでも買ってほど力を入れた



『ごめん、ほんとにごめんっ、、』



自分勝手なのは


俺が一番わかってる


また泣きながらそう謝る俺に


体を回転させて俺の方を向き


真正面から抱きしめてくれる



目黒「謝らないで、秋君は悪くないから」

『でもっ、、』

目黒「俺は秋君の味方だよ、いつでも」



やしすぎる声と


そんな言葉に、視界が一気に鈍くなる



目黒「いいよ、今は泣きな、泣きたいだけ」



それから、もう一度だけ


ぎゅっと強く抱きしめられる


そんな目黒の優しさに


涙が止まらなくなって


声を出して腕の中で泣き続けた


俺が泣き止むまでは


1度も俺から離れずに抱きしめ続けてくれた










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