第84話

82.
16,278
2021/11/13 13:20





靴を履き替えている時も


ずーっとラウールは俺にくっついて


どんなとこだった?


楽しかった?


他には何したの?


なんて、ずっと聞いくるから


思わず笑えてくる



『どーした?ラウール、』

ラウ「え、?」

『そんなにずーっとくっついて、』

ラウ「別にっ、」

『わかりやす』

ラウ「え?」

『寂しかったんでしょ?』



俺がそう聞くと


慌てながら否定するから


そんなラウールに少し面白くなる



『ほんとは、?』



俺が意地悪くそう聞くと


下を向きながら



ラウ「寂しかった、」



なんて言うラウール



『かわいい』



そんなラウールが可愛くて仕方なくて


ケラケラと笑いながら


ラウールの頭を撫でる



ラウ「でも、ちょっとだよ?ほんのちょっとだけだから」



なんて言い始めるラウール



『ありがと、今度はラウールとも行かなきゃね』

ラウ「ほんとに、!?」

『でもラウールはまだ高校生だから勉強優先だけどな』



靴も履きおえ鏡の前へ行く


それから夕方になるまで


練習してみんなで帰る準備



『つかれた、ぁ、』

阿部「お疲れ様」

佐久間「そりゃ疲れるだろ、旅行帰りに直で練習だったんだから」



それから、片付けをして


部屋を出てみんなで車に乗り込む


いつも通り窓側に乗り


隣に阿部ちゃんが来ると思っていると



目黒「阿部君、今日だけ代わってもらっていいですか?」



なんて、今日俺が帰ってきてから


全然喋らない2人のうちの1人が


阿部ちゃんに声をかける



阿部「どうぞっ、」



さらっと席を譲った阿部ちゃんに


俺の隣に座ってくる目黒



『え、何?』



珍しくそんなことをしてくる目黒に


疑問に思いきいてみるが



目黒「別に、」



なんて、一言だけ


行動と発言が矛盾している目黒



『え、?なんかおかしくない?』

目黒「おかしくないよ」

『なんで急に、阿部ちゃんに代わってもらったの?』



俺の質問に対して黙り込む目黒



『え、ラウールの隣が嫌になったとか?いや、でもそんなわけないよね、』

目黒「俺泊まるなんて聞いてないし」

『え、嘘でしょ、?』

目黒「なにが」

『目黒も俺がいなかったら寂しいとか言うの?』



なんて、冗談半分で聞いたつもりが



目黒「ダメなの?」



真面目な顔をしながら言ってくるから


驚きすぎて目黒の顔を見たまま


固まってしまった








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