そのあとも美味しいものを2人で食べ歩いたり
おみくじを引いたり
存分に楽しんで
最後にソフトクリームを2人で食べながら
ベンチに座って休憩をする
『楽しかったな』
渡辺「そーだね、疲れたね」
『ずっと歩いてたからね』
なんてのんびりと
俺らの前を歩いていく観光客の人たちを眺めながら
ソフトクリームを食べる
渡辺「あ、泊まるところなんだけどさ」
急にそんなことを言い出すから
適当にあいずちをうつ
渡辺「旅館だけどいい?」
『いいに決まってんじゃん』
そんな俺の反応に
知っていたかのように面白そうに笑う
『俺、旅館の雰囲気めっちゃ好き』
それから、またソフトクリームにかじりつく
渡辺「てか、秋食べすぎ、俺の分ないじゃん」
『だって美味しいもん』
旅行先で食べるソフトクリームが
いちばん美味しいんだから
笑いながら翔太の方を向いてみせる
渡辺「クリーム付いてるし、」
なんて、そういった後
俺の口についたクリームを丁寧に取ってくれた
顔が赤くなる俺を見て笑い
渡辺「じゃあ残りもらうね」
なんて言って俺の手から
ソフトクリームを奪う翔太
渡辺「いる?」
最後の一口になったところで
俺の方を向いてそう聞いてくる
勢いよく頷いた俺の口に
最後の糸口を放り込む
渡辺「なんか、カップルみたいだな」
口の中をパンパンにしながら
もぐもぐと食べていれば、
横でそんなことを言い出す
ごっくん、と飲み込んだ後
『翔太ファンが怒っちゃうな』
なんて言い返しておいた
渡辺「秋のファンもだろ、」
それから少し喋った後に
2人で今日泊まる旅館に向かった
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。