第154話

152.
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2021/12/12 14:18





目を覚ますと自分の部屋の天井が見えた


頭痛はすっかり治っていた


そのままベットから降りて


階段をおりていればラウールとばったり会う



ラウ「え、」



目をまん丸にして俺の方をむくラウール



ラウ「もう大丈夫なの、?」

『うん、大丈夫、ありがと』



それから、リビングの方へ走っていって



ラウ「秋君起きたよ、!!!」



なんて、おっきな声で叫ぶ


みんなの声でうるさくなるリビングに


俺も追いかけるように入った



阿部「大丈夫なの?」



入ってすぐにそう聞いてくる阿部ちゃん



『うん、もう全然大丈夫』



よかった、なん言って頭を撫でてくる


安心させるように、ニコッと笑えば


阿部ちゃんも笑った



深澤「俺無理すんなって言ったよね?」



そんな俺の横に


珍しく怒ってる深澤がそう言ってくる



『ごめん』



体をすぼめて、深澤の顔を見上げる


怒られることはわかってたのに



深澤「心配するだろ、もっと頼れ馬鹿」



それだけ言ってこつん、と


俺の頭を叩くだけだった



『馬鹿じゃねぇしっ、』



なんて言いながら、俺も


深澤の体をドンッ、と叩く


そんな俺を見てケラケラと笑ったあと



深澤「病み上がりなんだからまだゆっくりしとけよ」



とだけ言ってリビングを出ていった


その後ゆっくりとお風呂に入り


リビングのソファーに腰掛ける


そんな俺の横に来る康二



向井「秋君っ、ゼリーいらへん?」

『ゼリー、、?』



ぽかん、とする俺を置いて


待っとってな、なんて


なんだか楽しそうな康二の方を見る



向井「はいっ、」



それから、テーブルの上に置かれたのは


ぶどう味のゼリー



『ありがと、ぶどうじゃん』

向井「せやで、秋君ぶどう好きやろ?」

『よく知ってるね』

向井「俺、秋君のこと意外と知ってるんやでっ、」



それから、どうだ、なんて


言わんばかりの顔で胸を張る


そんな康二にただただ嬉しくなった



『ほんとにありがとね』



心がポカポカして、


この暖かみがこれ以外のものじゃ


感じられない気がした




向井「全然ええよ」



なんて言って俺の横で笑う康二


スプーンにゼリーを乗せて隣をむく



『いる?』

向井「いる!!」



子供みたいにそう言って


パクッと食べたあと



康二「うまい!!」



なんて言って楽しそうに俺の顔を見る


幸せだった


あと何回続くか分からないこんな時間を


目に焼き付けながら笑い合う


最後なんて来ませんようにと願いながら













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