第7話

5.
26,206
2022/09/25 01:06



佐久間大介×夢野秋










「前言ってたやつ、面白かった」

佐久間「ほんとに!?」

「でも、昨日のは好みじゃねぇな」

佐久間「えー、俺昨日のやつの方が好きなのに」



こんな会話はもう当たり前


ご存知の通り、アニメオタクの佐久間は


毎日のように、俺におすすめのアニメや漫画を


紹介してくる


別に嫌いではない俺はむしろ嬉しいぐらい


それでも、毎度毎度勢いがすごい


本当に好きなんだな、って


そう思えてもはや愛おしい


だから、俺はアニメについて語る佐久間を見るのが


とにかく好き


だってこんなにキラキラしてて


楽しそうなんだもん


こっちまで幸せな気分になる



佐久間「今日はね!これ!!」



うんうん、と


相槌を打ちながら佐久間の話を聞く



佐久間「主人公めっちゃ可愛くない!?俺はこの子推し。秋はこっちでしょ?」



おすすめされたアニメは


毎回きちんと見るようにしている


そして次の日に感想を言う


それが俺らのルーティーン


そのせいか、最近では


俺の好むキャラを把握してきたらしく


俺の推しキャラを当てるのも恒例の流れになった



佐久間「え!?違う?絶対この子でしょ!」

「あー、好き。でも、こっちかな」

佐久間「うわぁ、そっちだったか!!」



そう言って、本気で悔しがる佐久間


つい頬が緩んだ


本当に、こんな幸せそうな佐久間


見てるだけで俺まで幸せだ



佐久間「ぅ!ゅう!秋って!!」

「あ、なに?聞いてるよ?」

佐久間「本当に?」

「本当だって!」

佐久間「こんなにちゃんと聞いてくれるの秋だけなんだよ」



あまりにも楽しそうに話す佐久間を見てたら


つい話を聞きそびれた


それから、だんだんと顔が曇る


なんて言って良いのかわからず


慌てて口を開く



「ごめん、佐久間がめっちゃ楽しそうに話すから、佐久間のこと見てたわ」



我ながら、言葉にすると相当キモいと思った


そんな俺らの横で



向井「佐久間くん、見てみ」



一部始終を見ていたであろう康二が


笑いながらスマホを出す


そこには佐久間の話を聞いてる時の俺が写ってた



向井「ほんまに、秋くん佐久間くんが喋ってる時ずっと顔見てるで」

「わざわざ撮んなよ」

向井「我が子を見守る親みたいやな」



恥ずかしくなって康二の肩を叩けば


反対隣では固まったままの佐久間



佐久間「え?俺のそんなとこが好きなの?」



目をまん丸にさせてそう聞くから



「うん、大好き」



もうそう言い切ってやった。


そんな俺に佐久間は飛び上がる



佐久間「聞いた!?!秋が俺に好きって!みんなぁ!?秋が好きって言った!!」



そんなに嬉しかったのか


メンバーに言い回る佐久間をみて


声を出して笑った



深澤「秋、俺にも言って」

「やだ」

向井「俺にもゆうてや!!」

「そんなに好き好き言う軽い男じゃないですぅ」



女だけどな、


なんて思いながらも


そんなことを言ってみたり



佐久間「そうだぞ!!俺が言われたの!!」



何故か変なところでムキになる佐久間に


阿部ちゃんと顔を合わせて笑い合った


今日もこんなような日


きっと、明日も、明後日も。









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