それから、失礼します、なんて言いながら
扉を開ける
滝沢「あぁ、やっと来たか」
そう言う滝沢くんに対して
もう一度みんなで頭を下げた
滝沢「早速本題に入るんだけど、君達に同居して欲しいくてね」
深澤「え?シェアハウスってことですか?」
滝沢「まあ、簡単に言うとそうかな、一応もう場所は用意してあるんだけどどうかな?」
驚きすぎて声も出なかった
それから、目が合う
シェアハウスなんかしたら
バレやすくなるに決まってる
もしも、これが俺を早く辞めさせるためなら
きっと、あっちも本気なんだと思った
もう用意されてるってことは
俺に拒否権ないようにするため
『強制ですか、?』
確かめるかのように、そう聞けば
また目を合わせたあと
にっこりと笑う
滝沢「そうだね。頑張ってね、夢野」
『はい、』
阿部「なにを、?」
『なんでもない』
向井「なんで?秋君嫌なん?」
『いや、そうゆう訳じゃない。ほら、ずっとお前らといると疲れるってことだよ、』
佐久間「なんでだよ、!!」
岩本「おい、お前ら、」
『あ、ごめん』
照に叱られて
笑いながら謝っておく
宮舘「でもラウールは?」
滝沢「大丈夫、あらかじめ許可はとってもらってるから」
目黒「あー、だから知ってたの?」
ラウ「うん、」
ラウールの許可まで取って
俺に拒否権など、
1ミリもないように計算された計画に
少しだけ怖くなる。
ここまでされたら
ほんとにもうすぐここから居なくなる
きっと、そんな日が遠くなくなる
滝沢「じゃあ、みんなOKでいい?」
そうやって滝沢くんがみんなに聞けば
9人揃って頷くから
それに合わせるように俺も頷くしかなかった
滝沢くんの部屋から楽屋に戻ってきたら
予想通りうるさくなるメンバー達
向井「やばない!?シェアハウスだって、絶対楽しいやん!!」
佐久間「やばいね、俺もめっちゃ楽しみ!!」
ラウ「やばい、もうドキドキする」
目黒「ラウール知ってたんでしょ?」
ラウ「改めてってこと!」
岩本「なんか、ほんとに騒がしくなりそう」
宮舘「当たり前だよ、楽屋で一緒にいるだけでもうるさいのに」
深澤「夜とかやばそうだな」
渡辺「近所から苦情くるぞ」
そんな会話をしてるなか
俺はそんなこと言ってる場合ではない
お風呂だって、
寝る時も、
急過ぎて頭が追いつかず
頭がパンクしそうだった
阿部「何?どうした?さっきから難しそうな顔して」
『いやっ、なんでもない』
阿部「分かりやす」
なんて、俺の顔を覗いてから
いつもの顔で笑う阿部ちゃん
『何がだよ』
阿部「何をそんなに考え込んでるかは知らないけど、大丈夫だよ、」
『うん、ありがと』
深く聞き込んで来ないところも
さりげない優しさも
俺は阿部ちゃんにどれだけ助けられれば
気が済むんだろう
『ほんとに、ありがとね、いつも』
阿部「いいよ、全然」
『頼りにしてる』
阿部「なに、秋らしくないじゃん」
『そんなことないよ』
そんな会話をしている1週間後には
シェアハウスが始まってしまう
バレずにやって行ける自信なんて
これっぽっちもないけど
やるしかない。
これ以上滝沢くんの思い通りになるもんか
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。